浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0450A01: | 覈に二光を忘れしかは冏師『略頌二藏義』三十八卷を |
J19_0450A02: | 選編しあたへられしかはいよいよ解頴を增進します |
J19_0450A03: | ます内外の蘊奧をさくる明德四年十二月鎭西八代の |
J19_0450A04: | 正統をつき佛祖十八傳の譜位にのほる是より岩殿の |
J19_0450A05: | 大藏に入りあまねく群經を覽閲し猶も濡潤せり又五 |
J19_0450A06: | 畿七道に逍遙し諸宗にわたりて其樞鍵をたたく諸師 |
J19_0450A07: | みな其了悟の深淵を感知し各宗の論議をひらく師又 |
J19_0450A08: | 辨鋒を振ひ逸魁の問難に及べば他師慚縮して退折せ |
J19_0450A09: | らる數年ののち故園に歸向のころたまたま武藏國豐 |
J19_0450A10: | 島郡貝塚に至り眞言の密塲光明寺にととまりて玄化 |
J19_0450A11: | を鼓扇し博く雋朗の士を澍す遠近駿奔し梵宇たち |
J19_0450A12: | まち巨刹となる故に眞言の宗を改め淨土の靈塲と |
J19_0450A13: | し叢規孔だ殷盛ならしむ當山の舊地是なり應永十年正月冏公を |
J19_0450A14: | 請武藏國小石川の邊に隱栖せしむ後數年を經て終に |
J19_0450A15: | 一寺となる今の傳通院并に宗慶寺是なり同年九月冏 |
J19_0450A16: | 公毫を濡し璽書をつたふ十七年四月『行儀分』の講會 |
J19_0450A17: | にあつかり『見聞』八卷を著す永享五年『無量壽經要 |
J19_0450B18: | 注記』二十四卷『觀無量壽經要注記』十六卷『阿彌陀經 |
J19_0450B19: | 要注記』八卷同八年『當麻曼陀羅鈔』四十八卷を選す |
J19_0450B20: | 此外『見聞』十卷『大原談義見聞』五卷『論藏集』十卷 |
J19_0450B21: | 『萬德集』『金明集』『五重口决集』『不審精决集』『徹 |
J19_0450B22: | 選擇口傳抄』『拾遺抄』『行義分見聞集』『徹髓抄』等 |
J19_0450B23: | 都て一百餘卷並に世に行れ宗徒是を珍藏す師の智德 |
J19_0450B24: | 得て稱すへからず又常に般舟淸修し定禪怠る事なく |
J19_0450B25: | 寒暑撓る事なし常に勝相を感見し西方の三聖を拜瞻 |
J19_0450B26: | す道俗來りて起居をとへは法問論議の話言の外は答 |
J19_0450B27: | 禮なし一族高橋海上原園城寺等來りて法要をきく各 |
J19_0450B28: | 信願のむねをさとりて稱名を業とし戰場にむかふ又 |
J19_0450B29: | 上杉氏の請により諸家の齋會につらなる時もみな俗 |
J19_0450B30: | 事をいはす何れも玆に釋徒の制嚴をしりて歸敬深し |
J19_0450B31: | となり此外東國の八家小田大掾長沼那須もみな高風 |
J19_0450B32: | を仰きて其門下を請し或は寺を建開し或は資糧をす |
J19_0450B33: | すめて書籍を求めしむ故に寒溫意に隨ひ珍書求るに |
J19_0450B34: | 隨へり此時東國戰中たり著述たよりなかりしを諸矦 |