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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0399A01: ひ春風發動の時を得て領知の門に涉入すべしここに
J19_0399A02: 於て法門の論筵をたてて己己の成不を試る時人人氷
J19_0399A03: 壺秋月の奧旨をのべ關鎻抑揚の玄樞を擧識す敎にあ
J19_0399A04: らす禪にあらす自然の正蒙性性の氣分を專考せしむ
J19_0399A05: 所謂水を飮て冷暖自知するの境界なり此時異解に陷
J19_0399A06: 溺せる下愚も一轉策勵の截得に反習し忽ち革古順敎
J19_0399A07: の正味をさとりて自然に盡善盡美の優妙に至れるも
J19_0399A08: のあり凡學は博きをいとはず知らざる所あるは闕如
J19_0399A09: す能化解を增進せしめ他宗と淺深を討探なすもみな
J19_0399A10: 博解によらずといふ事なし故に名目頌義の初徒をし
J19_0399A11: て釋尊一代を研覈し十宗を磨拭せしめんか爲の法問
J19_0399A12: 也是故に上座波瀾を起し玄底を探るに慈悲を以す下
J19_0399A13: 座は蒼海を莅み驪珠を擧て般若をます凡學臘三十餘
J19_0399A14: 年に及ひ解了他に許されし法將毎年三五九霜の四度
J19_0399A15: 貫主の代將として論主の職位を司り隔番に衆徒を撫
J19_0399A16: 敎すこれを初法幢と名け惠光を大藏に耀して論題を
J19_0399A17: 結ふ往世は四度に二十二則あり三九を半夏と稱し五
J19_0399B18: 則の算題五霜を本夏と名け六則宛の論議あり寶曆以
J19_0399B19: 後漸く衰へ今二三則宛に及へり算題は『頌義』三十
J19_0399B20: 卷の文を前後展轉し出す是又往年は廣く他經を算題
J19_0399B21: せしめ頌義にも拘りなしされは衍譽大僧正は近年執
J19_0399B22: 行なき新則を出すへきの制もありしかと今は法問に
J19_0399B23: 上下の則別あるによりて『頌義』を以て當題とせり
J19_0399B24: 出席の大衆も名目頌義の二部の衆を本機とす但し頌
J19_0399B25: 義の卷中自他宗の奧義經釋の深幽ありといへとも上
J19_0399B26: 讀に及ばすしかりといへども論席に鱗列し智劒を交
J19_0399B27: て問答烈烈とし勝劣惠辨に顯れ勢操遽に蕩蕩たる事
J19_0399B28: は粗相似たるのみ
J19_0399B29:
J19_0399B30: 論日の前算題を出すの後其義幽の關鎻を獨論し論士
J19_0399B31: の智解を誘發す上讀の捌は學頭の哲德是をつとめ下
J19_0399B32: 讀の捌は異師是を修す問答立破筆船の掉さす所にあ
J19_0399B33: らずただし當今下讀は頌義部頭の僧の指南の法匠是
J19_0399B34: をつとむ

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