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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0392A01: 悉く顯擧の上一宗の骨格他門の氣味を獲藏し行化時
J19_0392A02: いたりて官命品級の首なり我宗其かみ東照宮の寵遇
J19_0392A03: によりてよりこのかた二九の檀林座階三千の撰次起り
J19_0392A04: しかは舊制遙に改りて萬般諸規元和の高憲にあらず
J19_0392A05: といふ事なし既に此職に至りて後一たひ命を奉檀林
J19_0392A06: に住するの後は當山貫主に列班し潜龍出淵象馬飮泉
J19_0392A07: の勢あり大凡八家十宗各各級梯美を爭ふとも卓越の
J19_0392A08: 高擧に至るに及んてはあに誰か同日の論をなさんや
J19_0392A09: 抑我宗にて學頭の名既に久し冏師瓜連にひらき聖滿
J19_0392A10: 光明寺にはじむ我縁山の祖聰公の時既に名籍起り音
J19_0392A11: 譽公に勃興せりと云現譽大和尚の記には道譽上人の
J19_0392A12: 時は虎角を學頭と稱せりとあり此名自宗の外他に混
J19_0392A13: 同するをもつておほやけへ奏達の時は伴頭と稱す是
J19_0392A14: 貫主を除ての外一山の伴に首長たる故なり掛錫より
J19_0392A15: 世年の長幼を謂す學解の甲乙を論ぜす法臘の座階の
J19_0392A16: みを數量をたて法問講釋席席の務を熟盡せし後に此
J19_0392A17: 位にいたるなり往世は他の十七山の學頭も其器撰に
J19_0392B18: よりて檀林に擢主せられしを智童上人の時より他山
J19_0392B19: の選擧を許されす後漸く傳通院伴頭碩巖上人鴻巢勝
J19_0392B20: 願寺に住せられしかと程なく淸淨華院にうつられけ
J19_0392B21: り其後は當山伴頭の外は入札の範制ありといへとも
J19_0392B22: 檀林に至れる僧なし祐天大僧正のみ學頭より隱逸の
J19_0392B23: 身となり給ひしかと後大巖寺に住せられしなり實に
J19_0392B24: 淨家の伽藍宇内に數萬列茂ありといへとも潜龍出淵
J19_0392B25: の功を立るは當山伴頭の外かつてなき所なり
J19_0392B26: ○九部淺深
J19_0392B27: 大海の渺漫たるにも猶淺深洲淵の區別あり高山の峨
J19_0392B28: 嶠たるにも峯尾凸凹なきにあらす宗門の章疏を探學
J19_0392B29: し佛法の深遠に幽通するの徒豈一味の見解のみにし
J19_0392B30: て關鎻抑揚の制度なからさらんや師位敎徒能化所化
J19_0392B31: 一涯すべからず我山三千の學徒をわかつに部を九に
J19_0392B32: たつるは安養の九品の昇階を表し谷を九にわかつは
J19_0392B33: 九方の國界より淸泰の樓閣に往詣せるを標題せり
J19_0392B34: 九部とは名目頌義選擇小大玄義文句禮讃論無部なり

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