浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0345A01: | 開山心巖上人は加賀國小松人なり姓加波氏其先朝倉 |
J19_0345A02: | 左衞門督義景の從士たり國亡家衰家藩諸方に離散の |
J19_0345A03: | 時小松に遁れて田家に交る師八歳にして越前國淨光 |
J19_0345A04: | 院今運正寺に改む大守の下炬所 隨流上人に剃度受戒し後關東に下り |
J19_0345A05: | 法を大巖寺流頓上人に嗣其後國にかへり遠近に説法 |
J19_0345A06: | す道俗歸依する事市のことし故に至る所梵宇を創立 |
J19_0345A07: | せすといふ事なし生縁たる加賀の國に大圓寺を開基 |
J19_0345A08: | して不斷念佛をはしむ其性淸操にして財利を求めす |
J19_0345A09: | 名聞を好ます偏に西土の往生を願ひて浮世の榮運に |
J19_0345A10: | 走らす隱逸を心として塵事をすつる事數十年後縁山 |
J19_0345A11: | に入て當院をひらく貫主其高行を嘉美して別院とす |
J19_0345A12: | 其余如上桂昌院殿惠照院を命造なし給へりし時も師を開 |
J19_0345A13: | 祖と定めさせらる是山主貞譽大僧正をはしめ一山の |
J19_0345A14: | 淸衆撰擧の故なり其餘の德光別傳あり其德行の一事 |
J19_0345A15: | をのせて餘を略す |
J19_0345A16: | 諸書に皆當院は本譽上人の開創と云按るに縱譽上人 |
J19_0345A17: | 始本譽といへるにや |
J19_0345B18: | △人丸祠 |
J19_0345B19: | 頓阿法師百躰彫刻の像なり寬延年中行者文周布引 |
J19_0345B20: | 觀音の地の内に社を建此像を納む其時遷座の日か |
J19_0345B21: | ねて詠草御加點ありしかはしかしかのむね申上け |
J19_0345B22: | れは |
J19_0345B23: | 冷泉大納言爲村卿 |
J19_0345B24: | よろつ代とみち照しませみつがきの |
J19_0345B25: | 本のひかりをうつす宮居に |
J19_0345B26: | △お竹かながし 板當院にあり |
J19_0345B27: | むかし壹人の僧羽州湯殿山へ參籠せしに夢に金塔 |
J19_0345B28: | を拜む其中に座光斗にて本尊なし傍成僧に其ゆへ |
J19_0345B29: | を問ふ僧答て云此塔は大日如來の塔なり本尊は今 |
J19_0345B30: | 人間に交り給ふ汝しらずや武州江戸傳馬町佐久間 |
J19_0345B31: | 氏か婢にて名は竹といふと夢みて覺ぬ此僧下山し |
J19_0345B32: | て江戸に至り彼女を尋るに果して凡庸ならす朝夕 |
J19_0345B33: | 米洗ふ水汲に細布を張て遺粒を拾ひ己が食とし常 |
J19_0345B34: | 餐は乞食に施し自身常に念佛す佐久間氏も此僧に |