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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0345A01: 開山心巖上人は加賀國小松人なり姓加波氏其先朝倉
J19_0345A02: 左衞門督義景の從士たり國亡家衰家藩諸方に離散の
J19_0345A03: 時小松に遁れて田家に交る師八歳にして越前國淨光
J19_0345A04: 今運正寺に改む大守の下炬所 隨流上人に剃度受戒し後關東に下り
J19_0345A05: 法を大巖寺流頓上人に嗣其後國にかへり遠近に説法
J19_0345A06: す道俗歸依する事市のことし故に至る所梵宇を創立
J19_0345A07: せすといふ事なし生縁たる加賀の國に大圓寺を開基
J19_0345A08: して不斷念佛をはしむ其性淸操にして財利を求めす
J19_0345A09: 名聞を好ます偏に西土の往生を願ひて浮世の榮運に
J19_0345A10: 走らす隱逸を心として塵事をすつる事數十年後縁山
J19_0345A11: に入て當院をひらく貫主其高行を嘉美して別院とす
J19_0345A12: 其余如上桂昌院殿惠照院を命造なし給へりし時も師を開
J19_0345A13: 祖と定めさせらる是山主貞譽大僧正をはしめ一山の
J19_0345A14: 淸衆撰擧の故なり其餘の德光別傳あり其德行の一事
J19_0345A15: をのせて餘を略す
J19_0345A16: 諸書に皆當院は本譽上人の開創と云按るに縱譽上人
J19_0345A17: 始本譽といへるにや
J19_0345B18: △人丸祠
J19_0345B19: 頓阿法師百躰彫刻の像なり寬延年中行者文周布引
J19_0345B20: 觀音の地の内に社を建此像を納む其時遷座の日か
J19_0345B21: ねて詠草御加點ありしかはしかしかのむね申上け
J19_0345B22: れは
J19_0345B23: 冷泉大納言爲村卿
J19_0345B24: よろつ代とみち照しませみつがきの
J19_0345B25: 本のひかりをうつす宮居に
J19_0345B26: △お竹かながし 板當院にあり
J19_0345B27: むかし壹人の僧羽州湯殿山へ參籠せしに夢に金塔
J19_0345B28: を拜む其中に座光斗にて本尊なし傍成僧に其ゆへ
J19_0345B29: を問ふ僧答て云此塔は大日如來の塔なり本尊は今
J19_0345B30: 人間に交り給ふ汝しらずや武州江戸傳馬町佐久間
J19_0345B31: 氏か婢にて名は竹といふと夢みて覺ぬ此僧下山し
J19_0345B32: て江戸に至り彼女を尋るに果して凡庸ならす朝夕
J19_0345B33: 米洗ふ水汲に細布を張て遺粒を拾ひ己が食とし常
J19_0345B34: 餐は乞食に施し自身常に念佛す佐久間氏も此僧に

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