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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0346A01: 右の物語を聞て後はこの女を主人のことくに大切に
J19_0346A02: 敬ひける此女いつくともなく遁れさりぬ其水板よ
J19_0346A03: り光を放つ故遠近きき傳へ來り切取りしかは佐
J19_0346A04: 久間氏須藤氏兩家より當院に納む桂昌君上覽遊さ
J19_0346A05: れ御感斜ならす袋と箱とを御寄附遊され今に二百
J19_0346A06: 餘年永く什寶となれり『新著聞集往生篇』にある事是と異同あり
J19_0346A07: △鎭西聖光上人肖像
J19_0346A08: 上人略傳『本傳一卷』『繪詞傳廿卷』『勅修御傳の中略出』『本朝高僧傳』『列祖傳』『惣系譜』『東國高僧傳』
J19_0346A09: 上諱辨長又辨阿と號す房號聖光筑前國香月庄の
J19_0346A10: 人也二條院の御宇應保二午年五月六日辰時誕生
J19_0346A11: 父草野氏七歳にして菩提寺に登り妙法師の弟子
J19_0346A12: となる其性俊嶷たり十四歳の春登壇受戒す白岩
J19_0346A13: の唯心法師に天台の敎を學ふ事三ケ年次に明星
J19_0346A14: 寺常寂法師に宗の綱目を禀る事五年修學年尚く
J19_0346A15: 稽古日積りしかは叡山の學窓に遊はんと欲し遂
J19_0346A16: に寂師の敎示により東塔南谷觀叡法橋の室にい
J19_0346A17: たる今年壽永二年の冬なり後亦寳持坊證眞法印
J19_0346B18: に宗の秘賾を禀建久元戌年廿九歳にして學成望
J19_0346B19: 遂て故郷に歸り油山の學頭に補す學徒席を諍ひ
J19_0346B20: 衆人林を成す三十三才にして舍弟三明阿闍梨の
J19_0346B21: 絶入を見て忽ち眼前の無常に驚き速に身後の浮
J19_0346B22: 沈を思ひ即ち所學の法門をさし置ひとへに往生
J19_0346B23: の行業を修す此時明星寺の衆徒上人の智行兼備
J19_0346B24: 道心純熟なるを見て勸誘し當寺に廢壞せる三重
J19_0346B25: の塔を再建せん事を乞ふ上人是を諾し諸人を集
J19_0346B26: め大木を伐しめ土木の功を成し本尊を迎へんと
J19_0346B27: して上洛す此時思惟すらく我昔を思ふに證眞法
J19_0346B28: 印常に法然上人を讃す今便宜を得謁せずんばあ
J19_0346B29: るへからすと廼ち東山の禪室に詣て初て法然上
J19_0346B30: 人に謁す此時年三十六歳建久八巳五月也心中におもへらく法然上
J19_0346B31: 人の勸化富るといへ共我所存に過んやと淨土の
J19_0346B32: 捷要をこころむ時に上人三重の念佛をたてて八
J19_0346B33: 家九宗の淺深をのべ給へば閉口虔恭し自ら歎し
J19_0346B34: て大山に登らすんは天の高き事をしらじ深谷に

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