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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0314A01: 眞行
J19_0314A02: △盥盤 阿蘭陀文字なり
J19_0314A03: 裏に
J19_0314A04: 文化癸酉孟冬孔道落成之日擎盥盤於白全神祠
J19_0314A05: 聊祝其成功葢某等幸爲奉命而服其役之故而已
J19_0314A06: 一説に云演譽白隨大僧正の時隨從せし白狐ありし
J19_0314A07: かばそれへ名の一字をたまはり白全と呼ともいへ
J19_0314A08: り故に別當もなく方丈の隨身衆の内の一役の僧よ
J19_0314A09: り恭敬せり
J19_0314A10: 或云此神もと正月廿四日御參詣入御の時雨雪にて
J19_0314A11: 延させ給へりし事數年に及ひしかば官士法侶の歎
J19_0314A12: 意をあはれみてこれを天に祈誓ありてみつから神
J19_0314A13: となれりともいへり
J19_0314A14: 或云享保のはじめ會下の靈河なるものに托しわれ
J19_0314A15: 當山の學徒の胸思を觀察するに寡欲積德の者すく
J19_0314A16: なく邪慢貢高の徒のみ多し是らは今世にては檀林
J19_0314A17: 賜紫の職をけがし當來には紅蓮焦熱の底に沈むべ
J19_0314B18: し我もと大衆にありし時頗る此念ありてつゐに安
J19_0314B19: 養の寶界に異なる邪趣に入れり通力は人をもまど
J19_0314B20: はし飮食は鬼畜に勝れりといへども出離の期遠く
J19_0314B21: 解脱時をうしなへりしかりといへども往因少し願
J19_0314B22: 心深かりしかば法樂の力によりては來世又人道に
J19_0314B23: 至るへしされば大衆の内われを念ししばらくも拜
J19_0314B24: 禮なすものには等しく菩提心をすすめ修行の要徑
J19_0314B25: を敎へしとて三日程は種種の法門をのべ古哲の解
J19_0314B26: 了に超越せる事どもをときはてには祠をこひしに
J19_0314B27: ぞやがて一社とせしとなむ其後詣る人絶間なく社
J19_0314B28: に願滿の額みてり文化御增地の時熏大僧正の命と
J19_0314B29: して此所に移祠勸請あり
J19_0314B30: 稻荷の神形をつくれるに種種あり弘法慈覺をは
J19_0314B31: じめ歷世の學匠高士に彫刻ありしを考るに神形
J19_0314B32: 異なりといへとも皆本地は十一面觀世音ぼさ
J19_0314B33: つなりむべなるかな西方淨土に左脇の大士なり
J19_0314B34: 一切衆生を慈愍のあまり假に現し濟度を弘誓の

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