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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0312A01: 中興轉蓮社法譽林應慶長年中故ありて行基菩薩の御
J19_0312A02: 作なるを安置し前立を相添ける往古道塲山引導寺の
J19_0312A03: 本尊といふ
J19_0312A04: 又友人中神氏の改選江戸志には相州小田原大善寺に
J19_0312A05: ありしか中比の事なりし江戸へ開帳の爲とて下向あ
J19_0312A06: りしか夫より直に當地に安置せしと云不知此據
J19_0312A07: 毎 月御縁日 三日 十三日 廿三日 靈驗多し略玆
J19_0312A08: 白聖膏來由
J19_0312A09: 昔一人の士あり一人の娘をもてり或時此娘癰疽
J19_0312A10: のことくなるもの其脊に出てくるしむ事甚し醫術
J19_0312A11: すてにつきて良藥しるしなし父母これを悲しみ
J19_0312A12: 當院に步をはこひ淡島大明神に祈り奉る事一七
J19_0312A13: 日信心骨髓に徹す滿する夜一人の神人夢に告て
J19_0312A14: 云汝信心厚により明神此藥を汝にあたへ給ふと
J19_0312A15: すてにして覺てその藥法を調合し其痛處にぬる
J19_0312A16: に苦痛立ところにやみ速に平愈すここを以て其
J19_0312A17: 親戚あるひは近隣に施すに腫物一切の疵にぬる
J19_0312B18: に皆愈すといふ事なし感情にたへす藥法を當院
J19_0312B19: に傳附し明神の高德を謝し奉るといふ
J19_0312B20: ○鼠袋大黑天 傳敎大師作 貞松院に安置
J19_0312B21: 略縁起
J19_0312B22: 敎譽いまた隨身たりし時享保五子年二月或夜の
J19_0312B23: 夢にひろき野邊に出ぬれは獨の農人地をうち大
J19_0312B24: 黑の像を得奉れり敎譽立よりて是を拜し授與せ
J19_0312B25: ん事を乞かのもの許諾して尊像をあたへて云汝
J19_0312B26: 因縁ある故に此尊の御寶をも與ふへしとて二の
J19_0312B27: 俵と袋を授け此尊の寶物なりと念比に云聞せ離
J19_0312B28: たる俵を御足の下にしき槌を右の御手に移して
J19_0312B29: 金囊を左の御手に持せ奉り深く信仰すへしとい
J19_0312B30: ふ然に大黑天の持給へる金囊の口に鼠ありけれ
J19_0312B31: は是はいかなる物にやと問彼農人答云是傳敎大
J19_0312B32: 師鼠袋大黑天といふ也と聞とひとしく夢覺ぬ自
J19_0312B33: ら寒毛卓竪し貴く思ひ其夜の明るを待かね翌朝
J19_0312B34: 主僧に語りけれは師歎して云善哉是實夢なり我

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