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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0309A01: 靈像を授け給ふ此感應を蒙りしよりいよいよ權
J19_0309A02: 現に二世安樂の誓まします事の空しからさるを
J19_0309A03: さとり歡喜する事譬ふるにものなししかしより
J19_0309A04: このかた此靈像を法皇の御所に安置すここに信
J19_0309A05: 心を起し同時に剃髮染衣の身となる宮女七人あ
J19_0309A06: り相ともに心さしを合せ如法怠りなく尊敬供養
J19_0309A07: し奉る事廿餘歳に及ふ或時永觀律師尼衆をさと
J19_0309A08: して宣く夫如來悲願力を以ての故に一切處に現
J19_0309A09: す衆生信あれば悉く感あり今此靈像を拜見する
J19_0309A10: ものは縁を和光の神に結ひて終に無上の道に至
J19_0309A11: らん然れとも又機類一准ならす作業善惡あり仍
J19_0309A12: てここに予志願あり阿彌陀佛の像を彫刻し御腹
J19_0309A13: 内に此靈像を納めもつて末世の利物徧增をこひ
J19_0309A14: ねかふと通圓尼等是を聞大に歡ひ則ち其作をこ
J19_0309A15: ふ玆に於て日あらすして作なりぬしかふして通
J19_0309A16: 圓尼に授け護持せしめたまふ是實に天仁元子年
J19_0309A17: 三月なりしかしより年ゆき星うつりて洛陽下加
J19_0309B18: 茂の邊りに安置せりここに先師天譽上人遊履の
J19_0309B19: みきりこの尊像を拜し殊に信仰す其後關東に趣
J19_0309B20: き偶偶當寺隆譽上人の付屬をうくるにより文龜
J19_0309B21: 二戌年秋此尊像をこひ下し則一室をつくり瑞花
J19_0309B22: 舍と號し安置す故あるかな阿彌陀佛は律師慇誓
J19_0309B23: の自作其秘藏の靈像は權現ただちに本迹齊一を
J19_0309B24: しめし給ふ也噫乎先師の信仰宜なるかな
J19_0309B25: 寬永十一戌年季春 定譽隨波謹誌後當山十八主
J19_0309B26: 腹内之文寫
J19_0309B27: 熊野本宮權現本迹一體之靈像者先帝法皇之嬪御
J19_0309B28: 法尼通圓寬治五年三月詣本宮證誠殿感得也爾來
J19_0309B29: 信心尼相聚共奉事恭敬有年于玆矣予復有所感因
J19_0309B30: 今玆天仁元年春三月這阿彌陀佛腹内藏彼靈像以
J19_0309B31: 長時將欲憶持本地之眞容也
J19_0309B32: 永觀
J19_0309B33: ○茅野天滿宮 林松院地中
J19_0309B34: 略縁起

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