浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0309A01: | 靈像を授け給ふ此感應を蒙りしよりいよいよ權 |
J19_0309A02: | 現に二世安樂の誓まします事の空しからさるを |
J19_0309A03: | さとり歡喜する事譬ふるにものなししかしより |
J19_0309A04: | このかた此靈像を法皇の御所に安置すここに信 |
J19_0309A05: | 心を起し同時に剃髮染衣の身となる宮女七人あ |
J19_0309A06: | り相ともに心さしを合せ如法怠りなく尊敬供養 |
J19_0309A07: | し奉る事廿餘歳に及ふ或時永觀律師尼衆をさと |
J19_0309A08: | して宣く夫如來悲願力を以ての故に一切處に現 |
J19_0309A09: | す衆生信あれば悉く感あり今此靈像を拜見する |
J19_0309A10: | ものは縁を和光の神に結ひて終に無上の道に至 |
J19_0309A11: | らん然れとも又機類一准ならす作業善惡あり仍 |
J19_0309A12: | てここに予志願あり阿彌陀佛の像を彫刻し御腹 |
J19_0309A13: | 内に此靈像を納めもつて末世の利物徧增をこひ |
J19_0309A14: | ねかふと通圓尼等是を聞大に歡ひ則ち其作をこ |
J19_0309A15: | ふ玆に於て日あらすして作なりぬしかふして通 |
J19_0309A16: | 圓尼に授け護持せしめたまふ是實に天仁元子年 |
J19_0309A17: | 三月なりしかしより年ゆき星うつりて洛陽下加 |
J19_0309B18: | 茂の邊りに安置せりここに先師天譽上人遊履の |
J19_0309B19: | みきりこの尊像を拜し殊に信仰す其後關東に趣 |
J19_0309B20: | き偶偶當寺隆譽上人の付屬をうくるにより文龜 |
J19_0309B21: | 二戌年秋此尊像をこひ下し則一室をつくり瑞花 |
J19_0309B22: | 舍と號し安置す故あるかな阿彌陀佛は律師慇誓 |
J19_0309B23: | の自作其秘藏の靈像は權現ただちに本迹齊一を |
J19_0309B24: | しめし給ふ也噫乎先師の信仰宜なるかな |
J19_0309B25: | 寬永十一戌年季春 定譽隨波謹誌後當山十八主 |
J19_0309B26: | 腹内之文寫 |
J19_0309B27: | 熊野本宮權現本迹一體之靈像者先帝法皇之嬪御 |
J19_0309B28: | 法尼通圓寬治五年三月詣本宮證誠殿感得也爾來 |
J19_0309B29: | 信心尼相聚共奉事恭敬有年于玆矣予復有所感因 |
J19_0309B30: | 今玆天仁元年春三月這阿彌陀佛腹内藏彼靈像以 |
J19_0309B31: | 長時將欲憶持本地之眞容也 |
J19_0309B32: | 永觀 |
J19_0309B33: | ○茅野天滿宮 林松院地中 |
J19_0309B34: | 略縁起 |