浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0305A01: | 鳥居△額 豐譽大僧正筆 |
J19_0305A02: | △鏡井 |
J19_0305A03: | 天和三亥年正月九日社の南に井を堀けるに一鏡 |
J19_0305A04: | を堀得しかは是此神有縁の神鏡ならんと神前に |
J19_0305A05: | 納む井は淸水涌出せしかは御供水となし鏡の井 |
J19_0305A06: | と名く旱潦に水增减なし |
J19_0305A07: | 曇りなきこころぞうつる池水の |
J19_0305A08: | かかみや神のみかけ成るらん |
J19_0305A09: | 源親貞 |
J19_0305A10: | ○子聖大權現 山下谷淸林院 林松院向 今 柵門内寶珠院兼帶 |
J19_0305A11: | 略縁起 |
J19_0305A12: | 原るに佛といひ神といふは德に隨ふの名にして |
J19_0305A13: | 無垢圓明の鏡は同一の躰なり物に應し形を現し |
J19_0305A14: | 利罰正しきは和光の用なり子聖大權現と申は人 |
J19_0305A15: | 皇五十三代淳化天皇の御宇紀州天野郡に阿字の |
J19_0305A16: | 長者といへる賢女あり一生貞寡にて既に耳順に |
J19_0305A17: | 及へり忽ち靈夢を感し懷孕し即天長九子年十一 |
J19_0305B18: | 月子日降誕し給ひ童齡にして稚髮し諸人仰て天 |
J19_0305B19: | 野の聖と號し又子の年月日時ひとしければ子の |
J19_0305B20: | 聖とも申ける夙志を遂て普く天下の名山に靈蹤 |
J19_0305B21: | を問ひ苦修若干の年を重ね給ひ出羽國湯殿山の |
J19_0305B22: | 頂に登り我有縁垂化の地をしらんとて年來所誦 |
J19_0305B23: | の般若經を投給ふに遙に武州秩父子の山峯にと |
J19_0305B24: | とまりて光を放つ聖此光をとめて山に登り岩に |
J19_0305B25: | 座して禪念し給ふに此山常に酒を嗜み人を害す |
J19_0305B26: | る惡神住けるが聖を見て妬害の心を起し野火を |
J19_0305B27: | 放ち聖の衣のすそに燃付しに天龍雨を降して滿 |
J19_0305B28: | 山の火忽ち消滅せり時に惡神深く罪を懺悔し誓 |
J19_0305B29: | ひ吾輩今より永く佛道に歸し酒肉を絶ち聖の眷 |
J19_0305B30: | 屬となり聖を信するものを守護すへしとこの時 |
J19_0305B31: | 聖も同しく誓願し我を念せんものには諸願を滿 |
J19_0305B32: | しめ火難を遁らしめ又腰より下の病ひあらん者 |
J19_0305B33: | は必す治すへしと長和元子年三月十日百八十歳 |
J19_0305B34: | にして昇天し給ふ爰に當山學譽大僧正重き病患 |