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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0303A01: 日住持吟察の夢に一狐來り告けるは我は當片門前に
J19_0303A02: 勸請ある所の稻荷なり然れとも不淨の塵地居栖にた
J19_0303A03: へす若我を當地内に勸請せば一山を千代に守り衆僧
J19_0303A04: の學解をたすくべしと有しかは夢覺門前を尋けるに
J19_0303A05: 稻荷の勸請其頃はまれなりしかば忽に小祠をたつね
J19_0303A06: 境内に移請し奉れり承應三午年再ひ社を建改め南の
J19_0303A07: 方に門を附けるに或夜社東の方に向けれは誰か夜中
J19_0303A08: によしなき事をなせしやと本の方に向けるに數度な
J19_0303A09: りしかは不思議に思へるにある夜の夢にわれもと片
J19_0303A10: 門前にあり産子を守らんか爲に東に向なりと告あり
J19_0303A11: しかば産子を千代に守らんと二度の示現の名をとり
J19_0303A12: 合せ元祿八亥年十月六日新に宮殿をいとなみ東の方
J19_0303A13: に門をひらきけるに賞罰正しく利益少からす文化三
J19_0303A14: 年三月四日大災ののち堂宇皆改造
J19_0303A15: 當院に又傳來の縁記一軸あり
J19_0303A16: 略縁起
J19_0303A17: 産千代稻荷大明神者疇昔寄託覆護武門本多氏所
J19_0303B18: 不知其幾許年爰當院住僧諱吟榮俄然遇病眼之憂
J19_0303B19: 不久兩目盲依之平居絶於雙游一食自資長坐叩入
J19_0303B20: 如來大誓海中過居諸寬永二年春孟陬二日夜刻漏
J19_0303B21: 四更之頃神靈託夢給曰一人不世白衣盛其冠冕威
J19_0303B22: 儀極儼恪其禮甚肅來告吟榮曰僧所病之眼翳於草
J19_0303B23: 藥力確乎不可拔請嘗我治之吟榮欣欣然求之時白
J19_0303B24: 衣拔於帶劒切吟榮兩股身心如平時不苦病翳忽爾
J19_0303B25: 愈白衣重拱手曰我亦願望僧可謝否榮諾白衣曰寡
J19_0303B26: 人是全非人倫但純愍念婦女産子令知憂喜嫌不如
J19_0303B27: 意如意爲本之護神也住本多某家積累星辰也久雖
J19_0303B28: 然住汙漫不潔家受葷肉異氣不安身心夫此地淸美
J19_0303B29: 而閴寂我宜居住願移神靈於此梵刹爲院守所冀葢
J19_0303B30: 在此耳焉榮乃聞神靈來現之義言悅乎無別應諾了
J19_0303B31: 於是現神復言若無其璽印則於末代有窒礙不信之
J19_0303B32: 徒乞願上來件件契情互印之乞硯紙自白紙上執毫
J19_0303B33: 翰震神手直爲印證見睡覺覺已不違夢事兩眼超然
J19_0303B34: 鮮明且又璽印在前榮瑞夢及覺後現事忖度之心戚

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