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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0290A01: にて用ひさせられし也中略九郞本尊は義經の安置と
J19_0290A02: 云後に大樹寺より御持佛堂へ納め給ふ元龜の比信
J19_0290A03: 玄より美少人を仕たてて京都より家康公へみやつ
J19_0290A04: かへにこさせたりかかへ申せしに此本尊自ら倒れ
J19_0290A05: しに驚き給ひ御目さめたりしにかの少年の御寢所
J19_0290A06: へ忍ひ入しを御とらへ有て糺問有しかば事のよし
J19_0290A07: 顯れたり公是を殺し給はすして甲州へ送り遣され
J19_0290A08: し程に信玄怒て其父子共に刑すといふ本尊は今增
J19_0290A09: 上寺にまします
J19_0290A10: 『明眼寺記』云永祿年中三州本願寺末寺共一揆騷
J19_0290A11: 動の節明眼寺を御陣所と被爲成御合戰有之候に付
J19_0290A12: 本尊の儀は惠心僧都作阿彌陀如來一心無二の御祈
J19_0290A13: 誓被遊候處種種靈瑞等有之早速御利運被遊候依之
J19_0290A14: 佛德之奇瑞御感心の餘り頻に右本尊御懇望被遊候
J19_0290A15: へ共幾重にも御斷申上候處安藤杢之助基能を以厚
J19_0290A16: 被仰下候旨有之猶又永祿七年三月廿二日酒井雅樂
J19_0290A17: 介殿御上使として神君樣御直筆之御預り之御書被
J19_0290B18: 下置達而御懇望之旨被仰出候間不得止事御預可奉
J19_0290B19: 申上旨御請仕候中略本尊は唯今增上寺御別堂に御安
J19_0290B20: 置被爲在候九郞本尊と奉稱候は此尊像に御座候
J19_0290B21: 『矢橋家傳』云東照宮の御家臣に江州矢橋にて五
J19_0290B22: 百石給へる矢橋五郞左衞門と申は仔細有之御勘氣
J19_0290B23: を蒙られ右五百石を被召放御暇被下候其跡江州矢
J19_0290B24: 橋は東照宮御在屋敷に相成御下屋敷か右屋敷に御佛殿
J19_0290B25: に御安置被成候黑本尊は增上寺黑本尊と同木同作
J19_0290B26: にて御座候然る處右矢橋五郞左衞門大阪御陣之節
J19_0290B27: 忍出軍功有之御勘氣御免矢橋五百石并御在屋敷共
J19_0290B28: もとのことく拜領にて黑本尊を其儘被下置所持致
J19_0290B29: す所當五郞左衞門代に兎角屋敷内異成事有之に付
J19_0290B30: 卜者に相尋候へは先祖より所持の品に大切のもの
J19_0290B31: 御座候其品に障り有之候と相見へ候由依之右黑本
J19_0290B32: 尊を檀那寺赤坂法安寺へ五六年已前預け候と云云
J19_0290B33: 矢橋は平氏にて良文後胤和泉守安忠の子喜兵衞
J19_0290B34: 忠重剃髮し號喜入

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