浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0273A01: | 開城大樹寺に入御(御年譜)には寺にまします事三日と此時存應の行狀解 |
J19_0273A02: | 慧の卓然たるをしろしめさせられける(同漲集)に大樹寺開山勢譽の孫弟子 |
J19_0273A03: | 感譽の弟子とあるは少し書損なるにや感譽は勢譽の孫弟子にはあらずされど隨從の事は少し似たり天正十八年小 |
J19_0273A04: | 田原攻の時四月に至りて關東の諸國みな豐太閤に謁 |
J19_0273A05: | 見を願ひしかは鎌倉並に諸方の大地由緖勝れ古跡 |
J19_0273A06: | 勝境の寺院は縁によりて殿下の禁札を乞ける是此こ |
J19_0273A07: | ろ軍勢敵味方亂入の故也殿下それそれ點撿せしめ其 |
J19_0273A08: | 由緖正しくしかも大地の寺院へは是を賜りける鎌倉 |
J19_0273A09: | 諸本寺類みな賜りける此時武藏國より願けるは當山 |
J19_0273A10: | と觀音院等也されば禁札は(落穗集)神君と記せるはいかか殿下より給 |
J19_0273A11: | へり此時既に開山千葉新田の氏子法流東關の談所な |
J19_0273A12: | る事を申上ければなり然るに(開運記)其外に住持無僕躰の御禮の記せるは其德を譽るに似て却て事 |
J19_0273A13: | をうしなへり又一説に御入府よりさき九戸政實か逆謀を誅 |
J19_0273A14: | 伐の爲殿下神君とともに奧州におもむき給ひし時御 |
J19_0273A15: | 陣所を勤めけるこれは去四月禁札を賜へりしよりし |
J19_0273A16: | ろしめされければ殿下は御入城あらせられしかと大 |
J19_0273A17: | 神君は當寺に入御あらせたまひけるとぞ此夜も存應 |
J19_0273B18: | をめされ御目見あり其後八月御入府の時に至り寺の |
J19_0273B19: | 前を通御の時寺主かねて御懇の上意を蒙られしかは |
J19_0273B20: | 拜向のため寺前に跪き拜座なしければ大神君少し寺 |
J19_0273B21: | のこなたにて下馬なし給へり是を御馬とどまりしと外目に見へければ上のことくしるせ |
J19_0273B22: | るにや又寺主へ其むねを通しめ給へりこれを(開運錄)等に寺名等をたづねさせ |
J19_0273B23: | たまへりしとおもへるなり抑大神君は古今希代の良將一天平定の明 |
J19_0273B24: | 君なり御菩提所を定めさせ給へるに及ひ聊爾の儀に |
J19_0273B25: | あるべきや今時の貴賤田舍町住の身すら其所を改め |
J19_0273B26: | 師檀を賴むも猶其由緖を糺し其後に事をはかれりさ |
J19_0273B27: | れは愚按には大神君はしめ大樹寺にて存應隨從の時しろし |
J19_0273B28: | めされ小田原御陣所並御陣用の時御目見被仰付其人 |
J19_0273B29: | 物の英長德行を見聞知歸なし給ひ且又寺名にも增 |
J19_0273B30: | 上るるとあり住持の源譽といへる嘉名と白旗の流儀 |
J19_0273B31: | と開山の新田の縁由と三縁の三河に縁ある山との自 |
J19_0273B32: | 然美妙の事跡不思議に合同せるを稱美し御悅喜まし |
J19_0273B33: | まし其後に至て表向の御尋問あらせられ寺へ入御の |
J19_0273B34: | 上住持を登營せしめ大樹寺にての永祿中勢譽か誠心 |