浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0266A01: | 人皇百一代後小松院御宇至德二丑年南朝後龜山院元中二年なり酉譽 |
J19_0266A02: | 上人淨家に宗を改め年廿八歳にして明德四酉年十二 |
J19_0266A03: | 月當山を興隆し般舟蓮社の談法論塲とし四方の雲水 |
J19_0266A04: | をあつめ輪下に講演し自他宗の碩德を招請し不斷法 |
J19_0266A05: | 問の伽藍とす千葉佐竹の一族或は喜で法器を寄附し |
J19_0266A06: | 或は田園材樹を捨入す是みな上人の俗縁にて殊に大 |
J19_0266A07: | 家高門のゆへに其出塵をよみし又德行を感じ他領と |
J19_0266A08: | いへとも是に及はれける又此ころ江戸但馬守齋藤大 |
J19_0266A09: | 膳亮太田道眞なとも歸依助造せしとぞ是より閑禪の |
J19_0266A10: | いとま著述に功をはげまし撰次に二光を送りつゐに |
J19_0266A11: | 一百餘卷委くは師の本傳に出に及べり世に傳ふる所は禪林の英 |
J19_0266A12: | 傑龍隱寺俊德和尚と莫逆の法友たり俊德師靑松寺を |
J19_0266A13: | ひらくの時に至り永く寺軒を並へ行末繁榮を倶にす |
J19_0266A14: | べきと約せられしとなり故に始貝塚にて門をならべ |
J19_0266A15: | 後當山を今の地に移されし時も又同し地にならべり |
J19_0266A16: | と云云法義弘通のため淨家の師了譽上人を招き小石 |
J19_0266A17: | 川の地に梵刹を造立しめ其興隆を補佐學徒を進敎せ |
J19_0266B18: | しむ此比東國は新田義宗朝臣義兵の後たりといへと |
J19_0266B19: | も猶諸士互に南北の二朝に與し遠近にわかれ何とな |
J19_0266B20: | く戰爭の意のみにて釋門に限らず工農もわざを安ん |
J19_0266B21: | せず况や慈悲抔の事はいささかもあらずして常に虎 |
J19_0266B22: | 狼の心をさしはさみ親族父子の間にても隔てありけ |
J19_0266B23: | れど師の德行屢屢精進の功によりて佛神の感應いち |
J19_0266B24: | じるく到所の大守藩士欽仰せずといふ事なし又此時 |
J19_0266B25: | 武のみ興流し文事まれなる時なりしかど師は内典の |
J19_0266B26: | みに限らず古往の事實に委くおはせしかば周禮の道 |
J19_0266B27: | も師に問もの少からず詩章歌道までも了譽にうけら |
J19_0266B28: | れしかば門下に敎學ばしむ凡淨土の敎相は元祖大師 |
J19_0266B29: | に創むといへとも宗義の制令は冏公と今師の二匠に |
J19_0266B30: | 成り普天の蓮徒の摸範として卒土の所化の憑例たり |
J19_0266B31: | 宜哉冏公は文殊の應化今師は觀音の垂迹なり悲智双 |
J19_0266B32: | 運し淨宗を大山の安きに置給ふ事德むなしからずし |
J19_0266B33: | て十二世の後代に至り東國叢林の冠頂とし宗義弘通 |
J19_0266B34: | の根基となれりこれ師の護念の餘り廣く末代愚妄を |