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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0563A01: 別行を修す 天保十二年辛丑正月元日より法眷等の
J18_0563A02: 請に應し當麻曼陀羅を講しこれを永世の定則とす此
J18_0563A03: 年羽島の信者等先師三回忌追善のために名號石を建
J18_0563A04: て師請はれて其開眼に赴き歸路諸所に巡錫せり此年
J18_0563A05: 六月十一日寅の刻元祖大師を感得す師自ら筆を執り
J18_0563A06: 夢感の御影を寫して一軸となし生涯尊敬護持せら
J18_0563A07: る今猶法藏に鎭護せり 弘化二年秋の頃西圓寺の境
J18_0563A08: 内に白蛇あり見る者之を異とす或人師に之を記せん
J18_0563A09: ことを請ふ師則記して曰弘化二年八月十三日巳の上
J18_0563A10: 刻天龍院即西圓寺の院號本殿左傍の山腹に白蛇あり長サ二
J18_0563A11: 尺計り周身白色にして大に光澤あり背に淡黑色なる
J18_0563A12: 電光樣の小文ありて甚た鮮明なり腹下純白にして銀
J18_0563A13: の如し頭面柔和にして見る者厭惡の氣あることなし
J18_0563A14: 眼眶及口中は紅の如く舌端僅に白きこと一分はかり
J18_0563A15: 其婉轉動搖せるの寬靜なること頗る凡蛇に類せす人
J18_0563A16: 圍みて之を觀れとも泰然自若たり猶人を得て歡娛せ
J18_0563A17: る狀あるかことし午の下刻に至りて草中に潜伏す其
J18_0563B18: 後此蛇出ること度度なりしか此處に沒し彼處に顯れ
J18_0563B19: その遠近馳走逍遙すること自在なりき以上師の文白蛇の
J18_0563B20: 出る地高僧出つ此白蛇出てしより師の德行益顯れ弘
J18_0563B21: 法利生遠邇に風靡せり 弘化三年丙午七月華頂貫主
J18_0563B22: 赫譽歡道大僧正師を召さる師多病の故を以て辭す此
J18_0563B23: 年十月又書を裁して命あり是に於て師勅傳撮要講
J18_0563B24: 説の著作に從ひ其功半途にして止む 嘉永二年己酉
J18_0563B25: 三月萩龍昌院承譽立傳上人の請に赴き一七日中父子
J18_0563B26: 相迎を講す日日の聽衆三千餘人日課の授與千九百五
J18_0563B27: 十八人未曾有の大盛事なりそれより化益日を追ふて
J18_0563B28: さかんなり 安政三年丙辰正月廿五日寺社奉行より
J18_0563B29: 命あり師をして報恩寺に住職せしめ淨土鎭西一派僧
J18_0563B30: 侶の不如法を正し其弊風を一洗せしむ常念寺文等和
J18_0563B31: 尚及門中代理三名と共に命を齎し西圓寺に來り師
J18_0563B32: に移轉兼職を請ふ師蒲柳の弱質且衰朽老病其任に堪
J18_0563B33: へさるを以て固辭す國廳許さす三月七日遂に報恩寺
J18_0563B34: 兼住の命あり已むことを得す同九日晋山す即ち講席

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