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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0549A01: に入り翌寬政八年正月八日まで勵修勵行障礙なく成
J18_0549A02: 滿せらる師は隆圓上人俊隆上人定玄上人等と道交頗
J18_0549A03: る厚し別して圓公は博學多才にして生涯著書多かり
J18_0549A04: しか一一師に質して其許可を得されは未た甞て世に
J18_0549A05: 公にせさりしと云ふ 寬政八年丙辰の首春始めて課
J18_0549A06: 程簿を作り之を淨業錄と名け毎日課號の成否を記載
J18_0549A07: するに便ならしむるために紙半葉を罫畵して卅日と
J18_0549A08: なし毎日の下に圈を施し課號を成するものは其圈を
J18_0549A09: 减し卅日にて計算し十二ケ月を重ねて一年の總數を
J18_0549A10: 記し以て日課策勵の手段となし師自ら淨業錄の引を
J18_0549A11: 作り併せ書して曰
J18_0549A12: 佛の曰人身は得がたく佛法には値かたし汝等時を
J18_0549A13: 失ふことなかれと嗚呼我等何の幸そ受がたき人身
J18_0549A14: を閻浮の界にうけ値かたき佛法の中に殊に難値難
J18_0549A15: 遇の大悲本願の法門にあへりさは此時を失はしと
J18_0549A16: 萬般を放下はてて心行をこそすすむべきに無始の
J18_0549A17: ならひの執深くして厭欣のおもひは日日にゆるく
J18_0549B18: 勤修のいさをしは月月怠りぬれは終にいまはの時
J18_0549B19: に臨みかへらぬ悔の血になかんことの悲しくなつ
J18_0549B20: める駒の策になぞらへ此小册子を調へて座の右に
J18_0549B21: 置き誓ひし佛名の數よりして唱へこしぬる十聲一
J18_0549B22: 聲までをしるし試るにさすがに己か心の欺きがた
J18_0549B23: ければ分に應して益あることを得たりさればにや
J18_0549B24: 古へもかかる方便をもて本意を遂にし人少からず
J18_0549B25: 又功過自知等の錄の他に及ぼすの懇なるに感し世
J18_0549B26: 間の小善猶しかり况や出世の大善なるをやと今之
J18_0549B27: を梓にちりはめもて同志の蓮友におくるあはれこ
J18_0549B28: の方便によりて懈慢邊地に滯るべきは越て八池の
J18_0549B29: 華にたはぶれ下品中生に生るべきは進て上品の月
J18_0549B30: にうそふき三明六通ほからかにして身を十方の世
J18_0549B31: 界にわかち縁あるを先し無縁をもこしらへ上は佛
J18_0549B32: の深恩に報ひ下は衆生の苦みをぬき近くは法王子
J18_0549B33: の佳名をうけ終に三身圓滿の覺位にいたりたまへ
J18_0549B34: といふ

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