浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0549A01: | に入り翌寬政八年正月八日まで勵修勵行障礙なく成 |
J18_0549A02: | 滿せらる師は隆圓上人俊隆上人定玄上人等と道交頗 |
J18_0549A03: | る厚し別して圓公は博學多才にして生涯著書多かり |
J18_0549A04: | しか一一師に質して其許可を得されは未た甞て世に |
J18_0549A05: | 公にせさりしと云ふ 寬政八年丙辰の首春始めて課 |
J18_0549A06: | 程簿を作り之を淨業錄と名け毎日課號の成否を記載 |
J18_0549A07: | するに便ならしむるために紙半葉を罫畵して卅日と |
J18_0549A08: | なし毎日の下に圈を施し課號を成するものは其圈を |
J18_0549A09: | 减し卅日にて計算し十二ケ月を重ねて一年の總數を |
J18_0549A10: | 記し以て日課策勵の手段となし師自ら淨業錄の引を |
J18_0549A11: | 作り併せ書して曰 |
J18_0549A12: | 佛の曰人身は得がたく佛法には値かたし汝等時を |
J18_0549A13: | 失ふことなかれと嗚呼我等何の幸そ受がたき人身 |
J18_0549A14: | を閻浮の界にうけ値かたき佛法の中に殊に難値難 |
J18_0549A15: | 遇の大悲本願の法門にあへりさは此時を失はしと |
J18_0549A16: | 萬般を放下はてて心行をこそすすむべきに無始の |
J18_0549A17: | ならひの執深くして厭欣のおもひは日日にゆるく |
J18_0549B18: | 勤修のいさをしは月月怠りぬれは終にいまはの時 |
J18_0549B19: | に臨みかへらぬ悔の血になかんことの悲しくなつ |
J18_0549B20: | める駒の策になぞらへ此小册子を調へて座の右に |
J18_0549B21: | 置き誓ひし佛名の數よりして唱へこしぬる十聲一 |
J18_0549B22: | 聲までをしるし試るにさすがに己か心の欺きがた |
J18_0549B23: | ければ分に應して益あることを得たりさればにや |
J18_0549B24: | 古へもかかる方便をもて本意を遂にし人少からず |
J18_0549B25: | 又功過自知等の錄の他に及ぼすの懇なるに感し世 |
J18_0549B26: | 間の小善猶しかり况や出世の大善なるをやと今之 |
J18_0549B27: | を梓にちりはめもて同志の蓮友におくるあはれこ |
J18_0549B28: | の方便によりて懈慢邊地に滯るべきは越て八池の |
J18_0549B29: | 華にたはぶれ下品中生に生るべきは進て上品の月 |
J18_0549B30: | にうそふき三明六通ほからかにして身を十方の世 |
J18_0549B31: | 界にわかち縁あるを先し無縁をもこしらへ上は佛 |
J18_0549B32: | の深恩に報ひ下は衆生の苦みをぬき近くは法王子 |
J18_0549B33: | の佳名をうけ終に三身圓滿の覺位にいたりたまへ |
J18_0549B34: | といふ |