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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0548A01: ありしに未た數月ならずして其功を成す 寬政元年
J18_0548A02: 己酉師年二十五四月上旬本師の命に依り京師北野轉
J18_0548A03: 輪寺に留錫し專ら解行を勵み寬政二年庚戌の春同寺
J18_0548A04: を發し東武下谷安樂寺に唯稱上人を訪ひ法話數月の
J18_0548A05: 後縁山塔下辨信和尚の室に移れり和尚は岸師の上足
J18_0548A06: 師の法兄なれは互に蓮宗の深義を講究し切磋の功夫
J18_0548A07: を盡す 寬政三年辛亥師年二十七。十一月某日幡隨
J18_0548A08: 意院貫主潤譽露閑大和尚を拜して五重の秘訣を傳持
J18_0548A09: す翌寬政四年壬子同大和尚に隨て宗戒兩脈及布薩を
J18_0548A10: 禀承し三佛大悲の本懷は一向專修念佛なることを領
J18_0548A11: 納し道心彌策勵せり 寬政五年癸丑師二十九歳の春
J18_0548A12: 再辨信寮に寓し悉く餘念餘縁を放下し宗部及倶舍唯
J18_0548A13: 識天台華嚴等を研究し殊に起信論に沈潜して馬鳴の
J18_0548A14: 閫奧を窮め其博覽強記なる一山感服せさる者なし
J18_0548A15: 時に潮洞和尚師の學識を感し弟子となして法財を委
J18_0548A16: 託せんとし屢懇請す師信公に對する義を思ひて之を
J18_0548A17: 斥け急に本師の召あるに託して東武〓辭し上洛して
J18_0548B18: 西九條神女町西福寺に留錫し佛定上人義柳上人典壽
J18_0548B19: 和上慈雲和上等に歷隨して宗學日に精しく德行月に
J18_0548B20: 進み又有縁の請に應して專修念佛を弘通せらる 寬
J18_0548B21: 政七年乙卯師三十一歳の夏師父の慈容を拜し其心を
J18_0548B22: 慰藉せんとて五月廿二日西福寺を發程し六月七日西
J18_0548B23: 圓寺に歸着し岸師に丸山の閑居に謁して其康寧を賀
J18_0548B24: し中井に歸省して父に面し其起居を訪ひ特に出家許
J18_0548B25: 容の慈恩を謝す師尋て大日比に歸り孳孳として本師
J18_0548B26: の慈敎を仰き終南吉水の正流を挹み彌宗學の精蘊を
J18_0548B27: 究めらるこれより京帥江戸浪華の間に往來して有縁
J18_0548B28: の衆生を化度せんとの念を起し此年八月廿六日本師
J18_0548B29: の座下を辭し九月七日浪華に着し九日嵯峨稱念寺助
J18_0548B30: 念上人を訪ひ廿日再西福寺に寓す此寺無檀地にして
J18_0548B31: 淸閑無事なるを以て回向院隆圓上人西光寺義門律師
J18_0548B32: 敎晨上人等と同學同行時時別行を修し互に策勵せ
J18_0548B33: り此年冬紀州和歌山西岸寺俊隆上人の請により道友
J18_0548B34: 定玄上人と共に西岸寺に詣り同月十九日より般舟塲

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