浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0547A01: | 和南撰碑文代傳 |
J18_0547A02: | 法洲和尚略傳 |
J18_0547A03: | 師諱は法洲字は託阿禀蓮社承譽と號す自ら還源老人 |
J18_0547A04: | と別號せり俗姓は中井氏長門大津郡河原郷の人父は |
J18_0547A05: | 源右衞門昌直母は多賀氏なり明和二年乙酉四月十四 |
J18_0547A06: | 日生る師天資聰明器宇凡ならず年甫て三歳母に從ひ |
J18_0547A07: | 華山豐浦山神上寺に詣で灌頂を受け大日種子の正中にあた |
J18_0547A08: | る師七歳にして恭敬三寶往詣樂邦の念漸く芽し長泉 |
J18_0547A09: | 寺慧猛和尚に就きて日課念佛數十遍を誓約す安永七 |
J18_0547A10: | 年戊戌師年十四再華山に登りて灌頂を受け彌陀の |
J18_0547A11: | 種子を得意大に歡喜すこれ蓋し生涯廣度衆生の前兆 |
J18_0547A12: | ならんと云ふ 師性豪邁氣岸卓絶にして志學より弱 |
J18_0547A13: | 冠まで文武の諸藝を學び黽勉精苦其眞に至らされは |
J18_0547A14: | 未だ甞て止ます其交友に接するや情貌自ら威重にし |
J18_0547A15: | て妄に狎笑はす順理を愛し非違を正して毫も威權を |
J18_0547A16: | 憚らすされども父母に事ること至孝にして氣を下し |
J18_0547A17: | 面を柔け其色を伺ひ其命を俟つこと恰も罪ある者の |
J18_0547B18: | 官家の裁斷をまつがごとし 天明五年乙巳十二月五 |
J18_0547B19: | 日師の母命果せらる其追福のために法華經及大般若 |
J18_0547B20: | 理趣分を一字一石に書寫し之を母公の塔下に藏め爾 |
J18_0547B21: | して日日の廟參風雨寒暑を厭はす三年一日の如し時 |
J18_0547B22: | に廟側の桂葊に住せる關隨唯稱慈敎と云へる三尼あ |
J18_0547B23: | り共に西圓寺光譽法岸上人の弟子にして勇猛精進 |
J18_0547B24: | の念佛者なりしが師が至孝の純情を感し天明七年丁 |
J18_0547B25: | 未の春折を得て專修念佛の功德は寫經讀誦の小善に |
J18_0547B26: | 勝るること無量なるを勸進せるに由り此年三月十四 |
J18_0547B27: | 日西圓寺に詣て光譽上人に謁し本願唯稱の源底に就 |
J18_0547B28: | き其提撕を受け渴者の水を求むるが如く求法の念彌 |
J18_0547B29: | 切なり 天明八年戊申師年二十四一日父に出家せん |
J18_0547B30: | ことを乞ふ父其志の奪ふべからさるを知り之を許す |
J18_0547B31: | 是に於て師奮然として諸種の障難を排し此年九月二 |
J18_0547B32: | 十七日西圓寺に投し翌二十八日岸師に從ひ剃度を受 |
J18_0547B33: | け法洲の度牒を授けらる課佛三萬稱を誓受す岸師其 |
J18_0547B34: | 法器たるを知り三經一論五部九卷其他の宗部を指授 |