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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0517A01: 所拘。熾排斥淨土敎者蓋有年矣』問津訣而して今
J18_0517A02: や過愆を發露して。其報殃を銷除せんか爲に方に力
J18_0517A03: めて殊派の濁を排决し以て吉水の淸波を揚んとす。
J18_0517A04: 宜なる哉釋文氣血あり理義精神あることや。寬延二
J18_0517A05: 年初冬正法寺風譽義穩上人六十四歳を以て圓寂す。
J18_0517A06: 習年暮春師燈を繼て同山二十二世の主たり。時に春
J18_0517A07: 秋四十二を算す。蓋し師の風譽上人に於る意氣投合
J18_0517A08: 夙に忘年の交を訂す。故を以て師屢は德迎山に遊ん
J18_0517A09: て上人會下の子弟を薰陶する年あり。上人の老且つ
J18_0517A10: 病あるや豫め師を要して後董に擬し闔山亦歡んて師
J18_0517A11: を戴く。是に於て德星卒に南山の分野に遷る。是れ
J18_0517A12: 余か推想と雖も前后の事會を湊合して必す其愆らさ
J18_0517A13: るを信するなり。然とも是れ其志にあらさるなり秪
J18_0517A14: た努めて道友生時の一諾に答ふるのみ。謂ゆる人生
J18_0517A15: 感意氣功名誰復論なるもの。故に師は其消息を
J18_0517A16: 洩らして曰く『吾人天性似孤雲 進退隨風送曉
J18_0517A17: 曛 一錫飄飄三十歳 總無夢裡惹塵氛とおもひ
J18_0517B18: くらせしに友とちせちにすすめて石淸水の正法寺に
J18_0517B19: 入けれは。籠に入れて面白かるや郭公なくなくくら
J18_0517B20: す五月雨の空』此秋專修祈禱編を上梓し。國家祈禱と
J18_0517B21: 一向專修との交關を論し世の懷疑を啓く。蓋し寺門
J18_0517B22: の勅願所たるを以てなり。詩あり祈禱編の獲麟とす
J18_0517B23: 『金仙無量壽 利劒也神丹 一口受千福 十聲攘
J18_0517B24: 萬難 波篏船中苦 風振樹下寒 莫言專修者 不
J18_0517B25: 可禱平安』寬延四年鼎足論を造り。神儒佛の深
J18_0517B26: 淺を判し相佑けて世を經紀すへきを論す。理玄奧を
J18_0517B27: 闡き文瑰麗を極む。讀む者爲めに目睫を刮す。居る
J18_0517B28: こと數年師果して山務の鞅掌に倦み。切りに行雲を
J18_0517B29: 逐ふの志あり。乃ち諷咏感懷を述ふ。『鳥入樊籠
J18_0517B30: 心不安 三年鬱病頡頑難 剝楹啄岳羨飛友
J18_0517B31: 翕翼棲塒戀故巒 窓下風前稀水穀 山中雪後
J18_0517B32: 苦飢寒 悲鳴將出主人怒 日夜悵然無涙乾』
J18_0517B33: 然とも大檀越志水氏闔山大衆抑留聽さす。師か心密
J18_0517B34: に决するところあり。即ち佯り狂して忽ち怪力を現

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