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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0516A01: て老來定月僧正の請を以て芝山學徒の爲に獅如意を
J18_0516A02: 揮ひしか如き。是より先延享元年湖東石山に阿彌陀
J18_0516A03: 經を講し略讃の著あるか如き。元文四年三十二歳に
J18_0516A04: して石淸水正法寺風譽上人の會下の爲に宗義を講賛
J18_0516A05: し。閑に難題を課して一轉潑間狂歌二百五十首を製
J18_0516A06: し機鋒縱橫天下の文壇を驚倒せしか如き皆な著しき
J18_0516A07: 事實と爲す。見るへし師か徒に木強ならすして高朗
J18_0516A08: 洒落胸懷光風を籠め肚裡霽月を宿して。和顏愛語能
J18_0516A09: く人生を感化するの道機に匱しからさることを。
J18_0516A10: 彼の悻悻然として自ら畵り白眼看他世上人空く枯木
J18_0516A11: 死灰を以て生涯と爲す者と夐然本より其撰を異にせ
J18_0516A12: り。延享二年稱譽眞察大僧正遷化す。師乃ち華頂山を
J18_0516A13: 降り紫雲山下風松軒に隱れ。一ら道業を修し兼て藏
J18_0516A14: 經を閲し以て師恩に酬す。時に三十七齡此を師か孤
J18_0516A15: 立生涯の第三紀と爲す。越て四年寬延元年乳母蓮心
J18_0516A16: 冥福の爲に一枚起請を釋して吉水辟邪訓を編す。師
J18_0516A17: か一枚起請に於る懷抱は以て其の見地の高下を窺ふ
J18_0516B18: へく亦以て宗義に映する眼光の利鈍を察すへし。『問
J18_0516B19: 津訣曰。若無吉水間出于世。則佛願由詎揚輝。
J18_0516B20: 雖光明慧心亦非不以於此稍有其忒。矧其餘
J18_0516B21: 乎。汝熟察諸。如語燈錄者吉水一旦逐機法語。
J18_0516B22: 本非以公諸海内。誤墜望西之手遂背本心。且
J18_0516B23: 其時舊習未祛見識未定。自後觀之懊惱殊甚。其
J18_0516B24: 事彰彰乎吉水語中明哉。乃至讀一紙遺誥甘如噉
J18_0516B25: 蔗。於是回頭以觀後人之解。紪繆煥現。想今人
J18_0516B26: 之心祗在信祖語過於佛説』『辟邪訓に曰く。偏
J18_0516B27: に唯た佛語に隨順して人師を執せず。たとひ大師の
J18_0516B28: 法語なりといふとも吟し味ひて佛語に何とやらんと
J18_0516B29: 思ふ處は敢て信用せす。大師已に然り况んや。餘師を
J18_0516B30: や。然るに此御遺誥は善く佛意佛願佛敎に隨順して
J18_0516B31: 行者を勸誘するの寶策なり。故に疏を作り同志に告
J18_0516B32: るのみ』踔厲風發意氣天を衝く。寔に夫れ古今を楷
J18_0516B33: 定して萬世を開拓するの概を見るへし。咦。伊の人
J18_0516B34: や昔し言家に在りて 比壯懋學秘密之敎。慣習之

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