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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0351A01: はけむべきなり。此三鞭をつねに加へて。遂に寶所
J18_0351A02: にいたるものは。實に出家のかひありといふべし。
J18_0351A03: 又云。世敎にすら。男子は婦人の手に死せずといへ
J18_0351A04: り。况や愛欲を斷ぜる出家をや。我たとひいかやう
J18_0351A05: の重病をうくとも。尼女の看病人をたのむべから
J18_0351A06: ず。ただ弟子等かはるがはる。心を盡して孝養せよ。
J18_0351A07: 我生涯の操行をして。素志を遂しむるは。これただ
J18_0351A08: 汝等が任のみと。されば師臨末。およそ百日ばかり
J18_0351A09: 病床にふし給ひしかども。ただ弟子等心をつくし
J18_0351A10: て。いたはり見あつかひ奉りしかば。本意のごと
J18_0351A11: く。その死を全くし給へり。此一事たやすからざる
J18_0351A12: ことなり。なべて世間を見るに。大病の看侍は。老
J18_0351A13: 女尼輩にあらざれば。なしがたきものなるに。今師
J18_0351A14: のごときは。禎松年の寒きにあらはるるといふべ
J18_0351A15: し。また大察義幢の二弟子。殊に看侍に寢食を廢
J18_0351A16: し。孝志をつくされしなり。隆圓は此年秋七月よ
J18_0351A17: り。十一月にいたりて。病ありて。臨末の奉事等閑
J18_0351B18: なりけるを思ふに。不孝の罪を謝し侍るのみ。
J18_0351B19: 師常に云。我沒後荼毘すべからず。ただ一の陶器に
J18_0351B20: もりて。淨地にうづむべしと。弟子曰。孤山の智圓
J18_0351B21: 法師。欽山の國一禪師等に習ひ給へるかと。師云。
J18_0351B22: しからず。我先師戒譽和尚を火葬せし時。一夜その
J18_0351B23: かたはらにまもりいたりしが。そのやけあがるさ
J18_0351B24: ま。みるにしのびざりき。このゆゑに。ただ其まま
J18_0351B25: 埋葬せば。他の勞もすくなく。汝等が心もやすかる
J18_0351B26: べしと思ふなり。古人にならふて。聞をもとむるに
J18_0351B27: はあらずと。
J18_0351B28: 此餘。師が平日の敎誡を知らんと欲せば。必ず蓮門
J18_0351B29: 續住持訓を披くべし。
J18_0351B30: 視聽第四
J18_0351B31: これより後は。弟子等が。見聞の事をあぐ。
J18_0351B32: 師平素。威儀質朴にして。内外日用調度。すべて華
J18_0351B33: 美を好まず。ただあるにまかせてこれを用ひ。口に淡
J18_0351B34: 薄を甘んじて。滋味を嗜まることなし。平日の食物

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