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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0352A01: にも。人のまゐらするものを食して。何をとて好ま
J18_0352A02: るることなし。また睡眠うすくして。夜も三更四更
J18_0352A03: まで念佛し。または讀書せらる。その後しばらく。
J18_0352A04: 睡眠せらるるといへども。曉はかならず寅の上刻に
J18_0352A05: 起いでで。念佛せらるること。尋常かはることな
J18_0352A06: し。
J18_0352A07: 師。財寶を貯ふることなし。少しの餘長あれば。佛
J18_0352A08: 像經卷を修補し。堂舍を修復し。什具を修繕せら
J18_0352A09: る。此ゆゑに。いたるところ。舊觀に復し。一新せ
J18_0352A10: ること皆同し。いささかありし衣類調度も。臨末み
J18_0352A11: づからそれそれにわかちあたへられしゆゑ。沒後は
J18_0352A12: ただ附身の具のみにて。さらに長物なし。實に淸淨
J18_0352A13: 潔白なりと。人みな歎しはんべりき。
J18_0352A14: 師。道骨凜然として。なれ近づくべからざるがごと
J18_0352A15: し。その弟子を警策し。または非法を辨斥せらるる
J18_0352A16: ときは。きくもの身毛竪立して。深淵にのぞむがご
J18_0352A17: とく。寒風にむかふがごとし。しかれども慈仁溫和
J18_0352B18: にして。小兒といへどもよく敬愛のおもひをなす。
J18_0352B19: すべて尋常のものがたり。晨昏の茶話なんどには。
J18_0352B20: あたかも花月に對するがごとく。春風裏に坐するに
J18_0352B21: 等し。師の説法。辨才玉をつらぬるがごとく。言端
J18_0352B22: 泉の涌に似たり。また別に活機ありて。眞氣人にせ
J18_0352B23: まる。このゆゑに。きく人たちどころに飜迷開悟
J18_0352B24: し。日課念佛を誓約し。生涯相續し。往生の素懷を
J18_0352B25: 遂しもの多し。また邪見なるものたちまち因果の恐
J18_0352B26: るべきことを信し。不忠不孝不貞の輩。速に人倫の道
J18_0352B27: に歸入する等の事狀。但陰京師のあいだ。その數あ
J18_0352B28: げてはかるべからず。
J18_0352B29: 師はじめ。古郷に歸省せられし頃。湯島に暫く留錫
J18_0352B30: せらる。その時。豐岡養源寺に江湖ありて。數百の
J18_0352B31: 雲水僧集會せり。その中より八僧たづねいたりて。
J18_0352B32: 師に相見し。さまさま難問しけるに。その答話無碍
J18_0352B33: にて。更に澁滯なかりしかば。おのおの舌をまき
J18_0352B34: て。その機辨に伏せり。師さらに。敎證二道の分別

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