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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0349A01: 四重の破人に。いよいよ增信することを明し。囘向
J18_0349A02: 心の下に。過現の善をもて。回願の義を成し。二河
J18_0349A03: 白道の譬をあげ示し給へり。明らかに知ぬ。行をは
J18_0349A04: なれては。三心たちがたきことを。さればこれを。
J18_0349A05: むつかしく思ふはひがことなり。正首に往生を願ふ
J18_0349A06: こころだにあれば。ならはずともおのづから具すべ
J18_0349A07: し。要をとれば助け給へとおもふはすなはち三心。
J18_0349A08: 南無阿彌陀佛ととなへ出したる聲が起行なり。これ
J18_0349A09: を願行具足といふ。此心と行と車の兩輪。鳥の雙翼
J18_0349A10: のごとく。持合たるを心行相須といふて。決定往生
J18_0349A11: の念佛也。
J18_0349A12: 又云。阿彌陀佛深重の誓願を聞得たらん人は。ここ
J18_0349A13: ろには助給へと思ひ。口には南無阿彌陀佛ととなふ
J18_0349A14: れば。その聲につきて順次に決定往生疑ひなしと。
J18_0349A15: 眞實に意得て。常に念佛を怠らされば。淨土宗には
J18_0349A16: ぢざる人なりといふべし。
J18_0349A17: 又云。今時我門の輕俊なる僧徒。自家の念佛は王三
J18_0349B18: 昩なることをしらずして。淨土は只愚人を誘引する
J18_0349B19: 方便なりなんどあやまりて。あるひは禪堂に入り。
J18_0349B20: 參禪工夫して。見性を期するものあり。あるひは他
J18_0349B21: 門の經論を學び得て。多くはながれて雜修の漢とな
J18_0349B22: り。自家の珍財をすてて。空しく他の奴隸となるも
J18_0349B23: のあり。嗚呼幼少よりこのかた。光明の衣裏に色質
J18_0349B24: を長養し。吉水の鉢中に命根を相續して。露ばかり
J18_0349B25: もその恩澤を思念せず。名利の爲に外慕の情あるも
J18_0349B26: の。何ぞ眞に得悟の日あらん。あやしひかな。自己
J18_0349B27: の脚跟下をみずして。空腹高心なる輩。何をもてか
J18_0349B28: 佛法の正理をしらん。願くは蓮門の有志。此選擇本
J18_0349B29: 願念佛。王三昧を修證して。上佛祖の大恩を報し。
J18_0349B30: 下三有の苦惱を拔濟すべし。至禱禱
J18_0349B31: 又僧徒に示されし。警策にいはく。光明の宗を傳
J18_0349B32: へ。吉水の流を汲むもの。速に三昧を證せずんば。
J18_0349B33: 何の面目ありて佛祖に對せん。かならず二祖鎭西の
J18_0349B34: 相傳に任せて。驗一ツを得んと厚く心懸て。念念不

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