浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0349A01: | 四重の破人に。いよいよ增信することを明し。囘向 |
J18_0349A02: | 心の下に。過現の善をもて。回願の義を成し。二河 |
J18_0349A03: | 白道の譬をあげ示し給へり。明らかに知ぬ。行をは |
J18_0349A04: | なれては。三心たちがたきことを。さればこれを。 |
J18_0349A05: | むつかしく思ふはひがことなり。正首に往生を願ふ |
J18_0349A06: | こころだにあれば。ならはずともおのづから具すべ |
J18_0349A07: | し。要をとれば助け給へとおもふはすなはち三心。 |
J18_0349A08: | 南無阿彌陀佛ととなへ出したる聲が起行なり。これ |
J18_0349A09: | を願行具足といふ。此心と行と車の兩輪。鳥の雙翼 |
J18_0349A10: | のごとく。持合たるを心行相須といふて。決定往生 |
J18_0349A11: | の念佛也。 |
J18_0349A12: | 又云。阿彌陀佛深重の誓願を聞得たらん人は。ここ |
J18_0349A13: | ろには助給へと思ひ。口には南無阿彌陀佛ととなふ |
J18_0349A14: | れば。その聲につきて順次に決定往生疑ひなしと。 |
J18_0349A15: | 眞實に意得て。常に念佛を怠らされば。淨土宗には |
J18_0349A16: | ぢざる人なりといふべし。 |
J18_0349A17: | 又云。今時我門の輕俊なる僧徒。自家の念佛は王三 |
J18_0349B18: | 昩なることをしらずして。淨土は只愚人を誘引する |
J18_0349B19: | 方便なりなんどあやまりて。あるひは禪堂に入り。 |
J18_0349B20: | 參禪工夫して。見性を期するものあり。あるひは他 |
J18_0349B21: | 門の經論を學び得て。多くはながれて雜修の漢とな |
J18_0349B22: | り。自家の珍財をすてて。空しく他の奴隸となるも |
J18_0349B23: | のあり。嗚呼幼少よりこのかた。光明の衣裏に色質 |
J18_0349B24: | を長養し。吉水の鉢中に命根を相續して。露ばかり |
J18_0349B25: | もその恩澤を思念せず。名利の爲に外慕の情あるも |
J18_0349B26: | の。何ぞ眞に得悟の日あらん。あやしひかな。自己 |
J18_0349B27: | の脚跟下をみずして。空腹高心なる輩。何をもてか |
J18_0349B28: | 佛法の正理をしらん。願くは蓮門の有志。此選擇本 |
J18_0349B29: | 願念佛。王三昧を修證して。上佛祖の大恩を報し。 |
J18_0349B30: | 下三有の苦惱を拔濟すべし。至禱禱 |
J18_0349B31: | 又僧徒に示されし。警策にいはく。光明の宗を傳 |
J18_0349B32: | へ。吉水の流を汲むもの。速に三昧を證せずんば。 |
J18_0349B33: | 何の面目ありて佛祖に對せん。かならず二祖鎭西の |
J18_0349B34: | 相傳に任せて。驗一ツを得んと厚く心懸て。念念不 |