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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0342A01: 進し給ふこと。常のごとしとみてさむ。
J18_0342A02: 享和二年壬戌五月廿三日。鈴木氏の女子。夢に一所
J18_0342A03: にいたるに高堂あり。内外悉く朱をもてぬりたるご
J18_0342A04: とく莊嚴美麗なること。人間にはいまだ知らざると
J18_0342A05: ころなり。これはこれ淨土ならんと。たふとく覺え
J18_0342A06: て。堂内にいれば。師正面に坐し給へり。このゆゑ
J18_0342A07: にまづ禮拜し奉れば。すなはちしめしていはく。念
J18_0342A08: 死念佛これ一大事也。かならず忘るべからずと。そ
J18_0342A09: の聲にふれて夢さめたり。思ふにこれ師得生淨土の
J18_0342A10: 堂閣ならん。生存赤色をことさらに好み。朱ぬりな
J18_0342A11: る物をめで給ひしにも合して。奇特なりと物がたり
J18_0342A12: て。信行勇進せられけり。
J18_0342A13: これら皆その人の當情現にもやといふ人もあるべけ
J18_0342A14: れども。師の遺德の餘波なれば。すつるにしのびず
J18_0342A15: しるし加ふ。
J18_0342A16:
J18_0342A17: 專念佛定和尚行業記上
J18_0342B18: 專念佛定和尚行業記下
J18_0342B19:
J18_0342B20: 遺弟 觀阿大察
J18_0342B21: 順阿隆圓 輯錄
J18_0342B22:
J18_0342B23: 垂誡第三
J18_0342B24: 師。つねにしめされし言葉。
J18_0342B25: 師いはく。人はただ。常不輕菩薩のあとを學びて。
J18_0342B26: おのれより。解行おとりたるものにも。いささかも
J18_0342B27: 輕蔑のおもひをなさず。内の佛性を觀じて。眞實尊
J18_0342B28: 崇の心を發すべし。古人の雅操ある。鷄犬といへど
J18_0342B29: も。またげこえ給はず。禽獸すらしかり。况や人に
J18_0342B30: 於てをや。あに况や。出家に於てをや。輕慢を治
J18_0342B31: し。稠林廣衆の中に居在する法。これを第一とすべ
J18_0342B32: し。
J18_0342B33: 又云。僧は常に鼻頭を守るべし。古人これを守る
J18_0342B34: こと三年。今人生涯これを守らば。必ず得道すべ
J18_0342B35: し。
J18_0342B36: 又云。和漢の僧傳を見るに。多くは學問よりなれる

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