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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0340A01: るにめづらしく。日課精修記の斷片二三枚來迎寺
J18_0340A02: 反古堆よりとり出たりとてかの寺の見住僧壽上人
J18_0340A03: 法洲和尚。兩三年住職の後。疾によりて退隱し。その學友。僧壽上人補處せらる。より贈らる。惜か
J18_0340A04: な全からず。そが中感夢の記あれば。ここにあぐ。
J18_0340A05: 明和五年戊子十二月晦日。中夜夢みらく。日輪の中
J18_0340A06: より。無數の大菩薩湧出し給へり。あふぎ拜する
J18_0340A07: に。漸漸に現じ給ひて後。ただ阿彌陀佛のみ。日輪
J18_0340A08: 中にたち給ふを拜す。
J18_0340A09: 同六年己丑。正月六日中夜夢に。
J18_0340A10: 帝王の傍にありみづから思へらく 先帝尊儀人皇百十七代桃園
J18_0340A11: 院。寶曆十二年。七月廿二日。登霞ましましぬ。今年迄八年なり。なりと。ときに勅すら
J18_0340A12: く。朕がためにこふ。六字の名號を拜書すべしと。
J18_0340A13: たちまち侍御ありて。紗紙と筆をもち來れり。予思
J18_0340A14: へらく。我筆跡の拙き。何んそ書てもて。天覽に備
J18_0340A15: ふるにたらん。しかれども萬乘の至尊。御信を我法
J18_0340A16: にとどめ給ふこと。宗門の眉目極りぬ。その文字の
J18_0340A17: 形容いかが書寫せんと。思惟するうちに夢さむ。さ
J18_0340B18: めて後みづからこれを拜書して。先帝尊儀の御菩提
J18_0340B19: に御回向申上奉らる。
J18_0340B20: 同七日夢に。本師戒譽和尚と。ともに上堂して。本
J18_0340B21: 尊を拜す。ときに本尊曲躬して西南にむかひ給へ
J18_0340B22: り。これ何人のためならんといへば。戒譽和尚これ
J18_0340B23: はこれ。我等を淨土に導んとし給ふなりと。のたま
J18_0340B24: ふとみてさむ。已上自筆のうつし
J18_0340B25: 思ふに師初修なほかくのごとし。後後殊勝の感見も
J18_0340B26: とも多かるべし。されど弟子等にもかたられしこと
J18_0340B27: なし。その潜證密修のほども。はかりしられてたふ
J18_0340B28: とし。
J18_0340B29: また專念寺反古堆の中に。しるし給へるあり。寬政
J18_0340B30: 六甲寅夏。日課法語一萬枚餘を印施す。一夜夢みら
J18_0340B31: く貴婦人あり。此法語を讚歎隨喜して。みづからう
J18_0340B32: けんことをこふ。このゆゑにこれをあたへて。念佛
J18_0340B33: を勸進す。婦人拜受し終りて。さていへらく。師は
J18_0340B34: 此功德によりて。極樂。都率。いづれにても心の儘

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