浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0328A01: | 尚師の法器なることを知りて。道愛もともふかし。 |
J18_0328A02: | 師世縁を放下し。塵務を厭捨し。若は學。若は行。 |
J18_0328A03: | 孜孜として寸陰を惜み。むなしく日を送り。いたづ |
J18_0328A04: | らに夜を明さるることなし。このゆゑに儕輩怖畏敬 |
J18_0328A05: | 崇して。大阿羅漢と稱す。遂に三心五念の寶玉をみ |
J18_0328A06: | がき。一向專修の利劒を得られしかば。同六年丙子 |
J18_0328A07: | 冬。山主成譽大雲大和尚を拜して。五重の秘决を相 |
J18_0328A08: | 承せらる。抑此大僧正は。顯譽祐天大僧正の法嗣に |
J18_0328A09: | して。解高く行秀で三國傳來の秘賾は。大悲本懷の |
J18_0328A10: | 密意をさとり。圓頓菩薩の大戒は。吉水禀承の深奧 |
J18_0328A11: | を得玉へり。誠に淨家拔群の尊宿。圓戒中興の大士 |
J18_0328A12: | なり。師かかる大善知識に嗣法し給ふも。少縁のこ |
J18_0328A13: | とにはあらじかし。このゆゑに。ことさらに入壇受 |
J18_0328A14: | 戒せられけりその後。いくほどなく。大僧正遷化し |
J18_0328A15: | 給ひければ。妙譽定月大僧正進山し給ひ。その法を |
J18_0328A16: | 傳持して。ますます法燈をかかげたまひけり。同十 |
J18_0328A17: | 年庚辰冬十一月。妙譽大僧正を拜して宗脉を禀承 |
J18_0328B18: | し。圓戒傳授の許可を蒙らるこれよりさき。己卯冬 |
J18_0328B19: | 十一月。惠照院戒陣和上を拜して。菩薩戒を重受 |
J18_0328B20: | し。大小二乘の戒學を研究せらる。 |
J18_0328B21: | 師解行既に成じ。傳法傳戒こと終りにしかば。同十 |
J18_0328B22: | 一年辛巳冬。但州に歸省す。時に母公病あり。師舊 |
J18_0328B23: | 里に歸り看侍心を盡して。醫藥をすすめ。さまざま |
J18_0328B24: | 敎養し給ひしかども。そのかひなかりしかば。母公 |
J18_0328B25: | みづから必死の思ひに住し。師を知識として十一月 |
J18_0328B26: | 十日。正念に安住して。吉祥に命終し給へり。月澗 |
J18_0328B27: | 智晴大姉と號す。師哀毀禮に過ぎ。追孝心を盡して |
J18_0328B28: | 勤修せらる。これより師範の和尚に。奉事せらるる |
J18_0328B29: | こと一年ばかり。後ふたたび江戸にいたり。圓宣和 |
J18_0328B30: | 尚後增上寺に住し。大僧正に任ぜらるの室にいりて。正には性相の學をつ |
J18_0328B31: | とめ。傍には倫獨二道の神道を學ぶ。法華經を長崎 |
J18_0328B32: | の大雲法師にきき。華嚴經を。長泉の德門律師にき |
J18_0328B33: | けり。また服仲英の門に遊んで。外典を精究せらる。 |
J18_0328B34: | その頃洞家の英衲面山禪師。靑松寺に來りて海衆を |