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J2740 仏定和尚行業記 大察・隆円 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0327A01: 專念佛定和尚行業記上
J18_0327A02:
J18_0327A03: 遺弟 觀阿大察
J18_0327A04: 順阿隆圓 輯錄
J18_0327A05:
J18_0327A06: 行履第一
J18_0327A07: 師諱は誡誠字は蒙光。謙蓮社。遜譽。僊阿は。蓮門
J18_0327A08: 傳法の嘉號なり。みづから佛定と稱せらる。性は山
J18_0327A09: 口氏。母は三浦氏。丹後國。熊野郡。圓頓寺村の人
J18_0327A10: なり。享保十九年。甲寅秋九月某日に産る天性篤實
J18_0327A11: にして常兒と大に異なり。いとけなふして。浮世の
J18_0327A12: 無常に驚き。在家のちりにましはらんことをいと
J18_0327A13: ひ。他のすすめによらずして。歸佛の念おのづから
J18_0327A14: 發り。しきりに出家せん事をもとむ。父母はじめは
J18_0327A15: これをゆるさずといへども。その志うばふべからざ
J18_0327A16: るをもて遂にゆるして但州城崎郡。豐岡來迎寺に送
J18_0327A17: り。戒譽智典和尚を拜して薙染せしむ。師時年十有
J18_0327A18: 六。寬延二年己巳夏五月廿五日なり。和尚まづ淨土
J18_0327A19: 三經。往生禮讃をさづくるに日を經ずしてこれを
J18_0327B20: 闇誦す。天資聰敏。英氣秀發して見えければ。和尚
J18_0327B21: も師の凡ならざるを稱歎して。憐愍覆護他にこと
J18_0327B22: に。勸誡敎育至切なりければ。師も日新のこころざ
J18_0327B23: しふかく。螢雪をあつむるの業。しばらくも怠ら
J18_0327B24: ず。
J18_0327B25: 今年己巳冬。一禪師維摩經を提唱す。師日日其席に
J18_0327B26: つらなりききて。義を解すること。あたかも宿學の
J18_0327B27: もののごとし。翌年の春。同學のためにこれを覆講
J18_0327B28: するに。辯才かの講主にもおとらざりしかば。和尚
J18_0327B29: をはじめ。きく人皆。師の聰明なるを驚歎せり。師
J18_0327B30: これより常坐不臥にしてかりにも身をやすくせず。
J18_0327B31: 繩錐のつとめ。あまりにはげしかりし故。和尚いた
J18_0327B32: はりおぼして。師の疾を生ぜんことを恐れて。しば
J18_0327B33: しば保身養生の術をしめし給ひしとなん。
J18_0327B34: 師年二十。寶曆四年甲戌。六月廿六日。籍を江戸增
J18_0327B35: 上寺に通じ。翌年五月笈を負て東遊し。かの山にの
J18_0327B36: ぼり。南溪貞現和尚後知恩院に住し。大僧正に任ぜらるの室にいれり。和

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