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J2730 学信和尚行状記 慧満・僧敏 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0320A01: 風のいるこそあやしかりけり
J18_0320A02: 伊豫の奧浦は安西法師の出し所なりとききて
J18_0320A03: 草の葉に露おく浦をいでし身も
J18_0320A04: たまの臺にけふやすむらむ
J18_0320A05: 船中にてよめる
J18_0320A06: いかにせむ世渡るわざもなみの上に
J18_0320A07: あまのたくなわくりはてぬ身を
J18_0320A08: 宇佐へ參りしに稻佐といふ處にて藤の花のさかりな
J18_0320A09: るを見て
J18_0320A10: こころにもさきかかりけり雲ならぬ
J18_0320A11: 藤もゆかりのいろそなつかし
J18_0320A12: 託龍上人の淨業を修せられし跡を訪ひ侍るにいと殊
J18_0320A13: 勝なることいはんかたなし
J18_0320A14: むすばずはいかでかしらんやまずみの
J18_0320A15: ゐさらひきよき法のこころも
J18_0320A16: 樵者のとみに身まかりけるをききて
J18_0320A17: 朝夕の薪に思ひこりし身も
J18_0320B18: 終のけふりとなれるあはれさ
J18_0320B19: 雪佛畵賛
J18_0320B20: 造るのみ何はかなしと思ふらん
J18_0320B21: この身此まま雪佛達
J18_0320B22: 少欲知足のこころを
J18_0320B23: これにても事はたりけり山がつの
J18_0320B24: あしなるぞふりよしとおもへば
J18_0320B25: 題しらす
J18_0320B26: 中なかにことの葉ぐさのしげければ
J18_0320B27: とかぬみのりをきく人もかな
J18_0320B28: 浮しづみ我だにしらぬ法のうみ
J18_0320B29: いかでか人をさしわたすべき
J18_0320B30: かぎりなく迷ひし年を尋れば
J18_0320B31: ただ此今のこころなりけり
J18_0320B32: おく深き道なたかへそたづね入
J18_0320B33: 言の葉匂ふ花の枝折に
J18_0320B34: 法のいとただ一筋のこころより

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