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J2730 学信和尚行状記 慧満・僧敏 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0318A01: 評云。或人のいはく。關通和尚はこれに反せり。
J18_0318A02: ただまづ本願深重の大悲を讃歎して。いかなる惡
J18_0318A03: 人なれども。念佛すれば决定して往生する旨をつ
J18_0318A04: よくすすめて。さてかねて因果を説べし。斯敎れ
J18_0318A05: ばたとひその時に入らざれども。忽爾として死門
J18_0318A06: に臨まん時かならず發心念佛するの下種となるべ
J18_0318A07: しといへり。いづれにか隨がはん。今いはく。師
J18_0318A08: の意樂。難弟難兄也惣て因果門には今師尤よし。
J18_0318A09: 別て本願門には通師。又すぐれたり。しかれど
J18_0318A10: も。今師には別に志所ありて。通師に異なり。ふか
J18_0318A11: く思ふべし云云。法雨律師曰。眞實に本願を信得
J18_0318A12: 及するもの。かならず因果を深信すべし至誠に
J18_0318A13: 因果を信するもの。决定本願を信ずべし。二のも
J18_0318A14: の相はなるべからず。或は強く本願を信じて因果
J18_0318A15: をしらず。深く因果を信して本願を忘るるもの
J18_0318A16: は。徹底の信心にあらず。半信半疑のものなりと
J18_0318A17: いふべしとこれもまたよし此ことはなほ別論ある
J18_0318B18: べししばらくここには略す。
J18_0318B19: 師常にかたりていはく。今人かり初にも口に扶宗護
J18_0318B20: 法といふことをしれり。しかれどもただいたづらに
J18_0318B21: 能扶能護の心のみありて。所扶所護の法に體達せさ
J18_0318B22: れば。所謂狂簡の願なり。さればかりにも扶宗護法
J18_0318B23: の志あらは。先報夢五十餘帖に眼をさらし。宗意に通
J18_0318B24: 暢してよろしく解行雙修して。自己の脚根下を堅固
J18_0318B25: にすべし。しからば期せずして扶宗護法の人となる
J18_0318B26: べし。ただ初より性相天台華嚴などを學ぶものは。
J18_0318B27: 多くは流れて雜修の徒となりて。聖淨難易の區別を
J18_0318B28: 辨へず。遂に宗祖別開一宗の本意をしらず。家門
J18_0318B29: を。みづから輕淺して。返りて生死の一大事を失却
J18_0318B30: するもの目にふれて皆是なり。了譽上人曾てこれを
J18_0318B31: 歎じて。宗致若くらくば雜才も何にかせむとの給へ
J18_0318B32: り。はやく名利の學業をなげすて。往生淨土の一大
J18_0318B33: 事を决得すべし。其しかして後。遍學護法のため。
J18_0318B34: 一大藏經諸子百家に渡らずんば。何ぞ眞の出家兒た

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