浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0318A01: | 評云。或人のいはく。關通和尚はこれに反せり。 |
J18_0318A02: | ただまづ本願深重の大悲を讃歎して。いかなる惡 |
J18_0318A03: | 人なれども。念佛すれば决定して往生する旨をつ |
J18_0318A04: | よくすすめて。さてかねて因果を説べし。斯敎れ |
J18_0318A05: | ばたとひその時に入らざれども。忽爾として死門 |
J18_0318A06: | に臨まん時かならず發心念佛するの下種となるべ |
J18_0318A07: | しといへり。いづれにか隨がはん。今いはく。師 |
J18_0318A08: | の意樂。難弟難兄也惣て因果門には今師尤よし。 |
J18_0318A09: | 別て本願門には通師。又すぐれたり。しかれど |
J18_0318A10: | も。今師には別に志所ありて。通師に異なり。ふか |
J18_0318A11: | く思ふべし云云。法雨律師曰。眞實に本願を信得 |
J18_0318A12: | 及するもの。かならず因果を深信すべし至誠に |
J18_0318A13: | 因果を信するもの。决定本願を信ずべし。二のも |
J18_0318A14: | の相はなるべからず。或は強く本願を信じて因果 |
J18_0318A15: | をしらず。深く因果を信して本願を忘るるもの |
J18_0318A16: | は。徹底の信心にあらず。半信半疑のものなりと |
J18_0318A17: | いふべしとこれもまたよし此ことはなほ別論ある |
J18_0318B18: | べししばらくここには略す。 |
J18_0318B19: | 師常にかたりていはく。今人かり初にも口に扶宗護 |
J18_0318B20: | 法といふことをしれり。しかれどもただいたづらに |
J18_0318B21: | 能扶能護の心のみありて。所扶所護の法に體達せさ |
J18_0318B22: | れば。所謂狂簡の願なり。さればかりにも扶宗護法 |
J18_0318B23: | の志あらは。先報夢五十餘帖に眼をさらし。宗意に通 |
J18_0318B24: | 暢してよろしく解行雙修して。自己の脚根下を堅固 |
J18_0318B25: | にすべし。しからば期せずして扶宗護法の人となる |
J18_0318B26: | べし。ただ初より性相天台華嚴などを學ぶものは。 |
J18_0318B27: | 多くは流れて雜修の徒となりて。聖淨難易の區別を |
J18_0318B28: | 辨へず。遂に宗祖別開一宗の本意をしらず。家門 |
J18_0318B29: | を。みづから輕淺して。返りて生死の一大事を失却 |
J18_0318B30: | するもの目にふれて皆是なり。了譽上人曾てこれを |
J18_0318B31: | 歎じて。宗致若くらくば雜才も何にかせむとの給へ |
J18_0318B32: | り。はやく名利の學業をなげすて。往生淨土の一大 |
J18_0318B33: | 事を决得すべし。其しかして後。遍學護法のため。 |
J18_0318B34: | 一大藏經諸子百家に渡らずんば。何ぞ眞の出家兒た |