浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0316A01: | て。自爾としてこれを能せり。皆頗る雅賞を得たり。 |
J18_0316A02: | 唯世情には淡しくて。財欲薄く。物のあたひの貴賤 |
J18_0316A03: | をも。つぶさにしられざること。孩童にもしかざる |
J18_0316A04: | こと多かりき。 |
J18_0316A05: | 師體氣ゆたかに肥滿して。寬裕なる人なりけれど |
J18_0316A06: | も。護法と猒欣との志のみ深く。その扶宗爲人など |
J18_0316A07: | に臨みては。最勇敢にして。都て身命のあることを |
J18_0316A08: | しらざるがごとし。一年。宗義の事ありし時は。木 |
J18_0316A09: | 曾路を一七日に經歷して。江戸にいたられしことあ |
J18_0316A10: | りけり云云されば世人には迂遠なる人なり。我慢な |
J18_0316A11: | る人なりなど。常に誚り笑れぬれども。聊もかへり |
J18_0316A12: | みず。末後に護法の二字を書遺れしにても。その素 |
J18_0316A13: | 志を察得すべし。 |
J18_0316A14: | 師著述の書。蓮門興學編。一枚起請文符合决。一念 |
J18_0316A15: | 邪正决。幻雲稿等あり。皆密在せり。中にも師が護 |
J18_0316A16: | 法の深志をあらはされしば興學編なり。これに廣略 |
J18_0316A17: | 二本あり。其廣本には。初に大意叙由。次に自他優 |
J18_0316B18: | 劣。反復。護法。禦侮。學意。三寶。弊源の七章あ |
J18_0316B19: | り。詮ずるに。諸國に一夏法幢を建て。有志のもの |
J18_0316B20: | を推出し。學才あるものを選擧し。宗部を研究し。 |
J18_0316B21: | 心行を鍊磨し。宗規を嚴正し。賞罸を行ひ。軍書復 |
J18_0316B22: | 讐の雜亂談義を停止し。吉水末流の濁亂を淸澄し |
J18_0316B23: | て。三代相傳の眞風を永世に振んことを僧綱に懇 |
J18_0316B24: | 救せらるるなり。これをよむものをして。慨歎切齒 |
J18_0316B25: | して。志を激發せしむ。實に師を知師を罪するもの |
J18_0316B26: | は此書なりといふべし。此故に。自宗の僧綱尊宿も |
J18_0316B27: | これを寫得珍敬し。他宗の大德碩師も。これをよみ |
J18_0316B28: | て護法の深志を感じ。各此趣をもて海衆を攝得し給 |
J18_0316B29: | ふと聞り。その略本は京師守興隱士の挍正するもの |
J18_0316B30: | にして。編目を除き省略して。終りに師より僧綱に |
J18_0316B31: | 奉るの尺牘一篇を附せり此外蓮門禮樂編。雜談集等 |
J18_0316B32: | の二三の書あり。そは皆師に託して僞造せるものな |
J18_0316B33: | りと知るべし。 |
J18_0316B34: | 師伊豫に居住の時。西條の小野氏の女に。芳鶴とい |