浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0315A01: | み |
J18_0315A02: | 師護法心ふかく。如來の正法を。古に復するの宿望 |
J18_0315A03: | ありしかば。大藏經を閲し。かねて諸宗を遍學せられ |
J18_0315A04: | しかども。志の歸する處は唯猒欣念佛の一行にあり |
J18_0315A05: | けり。この故に常に人にかたりていはく。一大藏經の |
J18_0315A06: | 要は淨土三部經に歸し。三經の要は吉水繪詞傳四十 |
J18_0315A07: | 八卷に歸し。繪詞傳の要は一枚起請文に歸し。起請 |
J18_0315A08: | 文の要は六字名號に歸するなれば。たた一向に念佛 |
J18_0315A09: | すべしとのみ申されける。最有がたき敎示ならず |
J18_0315A10: | や。心あらん人此語を甘味しよろしく專修念佛し |
J18_0315A11: | て。往生の一大事を遂べきものなり。 |
J18_0315A12: | 師平生六時の禮念さらに怠ることなし。寒暑といへ |
J18_0315A13: | ども誓てこれを廢せず。又毎年臘月三十日に。明年 |
J18_0315A14: | の日數をかぞへ置。日別阿彌陀經十餘卷づづ讀誦し |
J18_0315A15: | て。一年に五千卷を滿ぜらるかくしてはやく十萬卷 |
J18_0315A16: | は。壯年の頃よみ終れり。その後の卷數もはかり知 |
J18_0315A17: | ぬべし。 |
J18_0315B18: | 師日課念佛その定數をかたられしことなし。しかれ |
J18_0315B19: | ども數珠の緖をしばしばぬき替られしをもて考るに |
J18_0315B20: | 日所作數萬遍なるべし。常に袖をもておほひて珠數 |
J18_0315B21: | くる風情をだに他に見せられしことなし。虚假に落 |
J18_0315B22: | ざるの行狀。不日にながれざる用心。よろしく標凖 |
J18_0315B23: | とすべきなり。 |
J18_0315B24: | 師宮島にありては。日日後夜の勤行畢りて。但一人 |
J18_0315B25: | 神祠に參詣せらる。いかなる風雨の日といへどもさ |
J18_0315B26: | らに怠ることなし。 |
J18_0315B27: | 評云。往昔弘法大師。此明神に祈りて。末世ここに |
J18_0315B28: | 參詣して神前にむかふものには。かならず菩提心 |
J18_0315B29: | を發さしめ給へと願ひ給ひしかば。明神出現まし |
J18_0315B30: | ましたしかにうけかはせ給ひしことを思ふに。師 |
J18_0315B31: | の參詣も自他往生極樂の心念を生ぜしめ給へと。 |
J18_0315B32: | 祈まうされしならんといとたふとし。 |
J18_0315B33: | 師才思優長にして。書字・作文・墨畵などの雜技能 |
J18_0315B34: | は。はじめ翫ぶいとまもなかりしかど中年にいたり |