浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0311A01: | の老若男女。此慈濟を蒙りて。露命を全くするもの |
J18_0311A02: | 多かりけり。 |
J18_0311A03: | 同七年丁未二月鎭西上人五百五十年忌にあたれり。 |
J18_0311A04: | 師筑紫に下向し。善導寺にいたり。大衆とともに法 |
J18_0311A05: | 筵につらなり。禮誦をなして慈恩を謝せらる。その |
J18_0311A06: | 往還にも。處處にて宗部を講じ法施をなして化益せ |
J18_0311A07: | られければ。その敎導によりて。吉水の正法に潤ふ |
J18_0311A08: | もの。もとも多く念佛することの四遠にあまねかりけ |
J18_0311A09: | れば。人皆元祖大師の再生し給ふなりとて。あふぎ |
J18_0311A10: | たふとみける。 |
J18_0311A11: | 同八年戊申に四月より。師不食の所勞ありて。たた |
J18_0311A12: | 麫類を受用せらるる外。すべて他物を食せられずし |
J18_0311A13: | かれども護法利物の情平生に異ならず。八月病をつ |
J18_0311A14: | とめて伊豫にいたり。岩城の淨光寺にて説法五六 |
J18_0311A15: | 席。今治の來迎寺に於て。龍尚舍の神國决疑編を講 |
J18_0311A16: | 演せらる。かくて加祐軒に歸錫し。醫藥加養すとい |
J18_0311A17: | へども。病勢漸重りて。その功驗あることなし。こ |
J18_0311B18: | れによりてみづからたつべからざるを知りて。弟子 |
J18_0311B19: | 等に後事を屬し。遺誡至切にして護法の素懷をのべ |
J18_0311B20: | て策勵せらる。 |
J18_0311B21: | 翌年己酉。寬政改元夏。六月二日より藥食ともに廢 |
J18_0311B22: | してもはら終焉の用意をなせり。看護の者僅に三人 |
J18_0311B23: | と定め。多衆の來入を避らる。その一人は枕頭にあ |
J18_0311B24: | りて念佛助音し。一人は次にありて事を辨じ。一人 |
J18_0311B25: | はまたその次にありて内外の事をはからしむ。さて |
J18_0311B26: | 本院の本堂にて。大衆に。念佛百萬遍を修せしめ。 |
J18_0311B27: | 又知死期をかぞへて。一心待死の用心さらに怠ること |
J18_0311B28: | なく。只一向に念佛せられけり。 |
J18_0311B29: | 五日師筆硯をもとめらる。これをきよめて奉るに。 |
J18_0311B30: | みづから護法の二字を書し。又一偈をつづり。和歌 |
J18_0311B31: | を詠じて。しるしていはく。 |
J18_0311B32: | 來也來也。我法王家。快樂即是。大白牛車。 |
J18_0311B33: | いかはかりたのしからまし迎らる |
J18_0311B34: | 花のうてなの深き御法は |