浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0170A01: | 輪廻生死のふるき里 この時ながくへたたりぬ |
| J18_0170A02: | すなはち金蓮臺にのり 佛のうしろに隨ひて |
| J18_0170A03: | 須臾の間をふるほどに 安養淨土に往生す |
| J18_0170A04: | むかしは大悲の利益を わづかに傳へて聞しかど |
| J18_0170A05: | 今は彌陀の引接を 心のままにかうふれり |
| J18_0170A06: | 然るに彌陀の淨土は 快樂不退の所にて |
| J18_0170A07: | 壽命も無量に長けれは 樂みつくる事そなき |
| J18_0170A08: | 三十二相そなはりて 莊嚴端正殊妙なり |
| J18_0170A09: | 六通三明さとりえて 意のごとく自在なり |
| J18_0170A10: | 上は有頂の雲のうへ 下は無間の底までも |
| J18_0170A11: | 苦海の群類ことごとく 利益あまねく施せり |
| J18_0170A12: | 願くは彌陀くわんをん 行者の誓ひを憫念し |
| J18_0170A13: | 大悲誓願あやまたず 來迎引接たれたまへ |
| J18_0170A14: | ねかはくは此功德を 普く衆生に施して |
| J18_0170A15: | 同しく心をおこしつつ 安樂國に往生せん |
| J18_0170A16: | 願我臨欲命終時 盡除一切諸障礙 |
| J18_0170A17: | 面見彼佛阿彌陀 即得往生安樂國 |
| J18_0170B18: | 南無阿彌陀佛 |
| J18_0170B19: | 來迎讃終 |
| J18_0170B20: | 右楞嚴先德の來迎讃はいにしへ淨業の徒は。盛にこ |
| J18_0170B21: | れを唱へしと見えたり。聖光傳に辨阿上人御病中に |
| J18_0170B22: | この來迎讃を聞き給ひて。此中に念佛三昧現前の句 |
| J18_0170B23: | 殊に肝要なりと示しましましきとあり。然阿傳には。 |
| J18_0170B24: | 念佛には來迎讃を誦ずへしと瑞夢ありし事を記せ |
| J18_0170B25: | り。一遍上人の繪縁起を案ずるに。越後の淨阿彌陀 |
| J18_0170B26: | 佛といひし人臨終の砌光明を感見し。すなはち紫雲 |
| J18_0170B27: | 棚引て柴の扉に立めぐるといふ讃を誦じて。一心に |
| J18_0170B28: | 來迎を待しとあり。されは此讃上代に盛に行はれし |
| J18_0170B29: | 事知りぬべし。近代洛陽の湛澄上人曾て長西錄を閲 |
| J18_0170B30: | して。僧都の來迎讃ある事を知り。久しくこれを求 |
| J18_0170B31: | められしに。たまたま當麻寺に遊て。迎講に誦ずる |
| J18_0170B32: | 所の讃本を見られけるに。題して來迎讃といひ。傳 |
| J18_0170B33: | へて僧都の御作と稱せり。其詞古雅にして。常人の |
| J18_0170B34: | をよぶ所にあらず。仍て是を寫さる。しかれとも猶 |