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J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0170A01: 輪廻生死のふるき里 この時ながくへたたりぬ
J18_0170A02: すなはち金蓮臺にのり 佛のうしろに隨ひて
J18_0170A03: 須臾の間をふるほどに 安養淨土に往生す
J18_0170A04: むかしは大悲の利益を わづかに傳へて聞しかど
J18_0170A05: 今は彌陀の引接を 心のままにかうふれり
J18_0170A06: 然るに彌陀の淨土は 快樂不退の所にて
J18_0170A07: 壽命も無量に長けれは 樂みつくる事そなき
J18_0170A08: 三十二相そなはりて 莊嚴端正殊妙なり
J18_0170A09: 六通三明さとりえて 意のごとく自在なり
J18_0170A10: 上は有頂の雲のうへ 下は無間の底までも
J18_0170A11: 苦海の群類ことごとく 利益あまねく施せり
J18_0170A12: 願くは彌陀くわんをん 行者の誓ひを憫念し
J18_0170A13: 大悲誓願あやまたず 來迎引接たれたまへ
J18_0170A14: ねかはくは此功德を 普く衆生に施して
J18_0170A15: 同しく心をおこしつつ 安樂國に往生せん
J18_0170A16: 願我臨欲命終時 盡除一切諸障礙
J18_0170A17: 面見彼佛阿彌陀 即得往生安樂國
J18_0170B18: 南無阿彌陀佛
J18_0170B19: 來迎讃
J18_0170B20: 右楞嚴先德の來迎讃はいにしへ淨業の徒は。盛にこ
J18_0170B21: れを唱へしと見えたり。聖光傳に辨阿上人御病中に
J18_0170B22: この來迎讃を聞き給ひて。此中に念佛三昧現前の句
J18_0170B23: 殊に肝要なりと示しましましきとあり。然阿傳には。
J18_0170B24: 念佛には來迎讃を誦ずへしと瑞夢ありし事を記せ
J18_0170B25: り。一遍上人の繪縁起を案ずるに。越後の淨阿彌陀
J18_0170B26: 佛といひし人臨終の砌光明を感見し。すなはち紫雲
J18_0170B27: 棚引て柴の扉に立めぐるといふ讃を誦じて。一心に
J18_0170B28: 來迎を待しとあり。されは此讃上代に盛に行はれし
J18_0170B29: 事知りぬべし。近代洛陽の湛澄上人曾て長西錄を閲
J18_0170B30: して。僧都の來迎讃ある事を知り。久しくこれを求
J18_0170B31: められしに。たまたま當麻寺に遊て。迎講に誦ずる
J18_0170B32: 所の讃本を見られけるに。題して來迎讃といひ。傳
J18_0170B33: へて僧都の御作と稱せり。其詞古雅にして。常人の
J18_0170B34: をよぶ所にあらず。仍て是を寫さる。しかれとも猶

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