浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0169A01: | 來迎讃 惠心僧都御作 |
| J18_0169A02: | 攝取不捨の光明は 念する所を照すなり |
| J18_0169A03: | 觀音勢至の來迎は 聲をたつねて迎ふなり |
| J18_0169A04: | 娑婆界をはいとふべし いとはば苦海を渡りなん |
| J18_0169A05: | 安養界をはねがふべし ねがはば淨土に生るべし |
| J18_0169A06: | 草の庵しづかにて 八功德池にこころすみ |
| J18_0169A07: | ゆふべの嵐音なくて 七重寳樹にわたるなり |
| J18_0169A08: | 臨命終の時いたり 正念たかはで西にむき |
| J18_0169A09: | 頭をかたむけ手をあはせ いよいよ淨土を欣求せん |
| J18_0169A10: | きけは西方界のそら 伎樂歌詠ほのかなり |
| J18_0169A11: | 見れは綠の山の端に 光雲はるかにかかやけり |
| J18_0169A12: | この時身心やすくして 念佛三昧現前し |
| J18_0169A13: | 毫光わが身を照して 無始の罪障消滅す |
| J18_0169A14: | 光雲やうやくちかづきて 瞻仰すれは彌陀尊 |
| J18_0169A15: | 相好圓滿し給ひて 金山王のごとくなり |
| J18_0169A16: | 烏瑟たかくあらはれて 晴の天にみとりなり |
| J18_0169A17: | 白毫右にめぐりて 眉の間にかかやけり |
| J18_0169B18: | 管絃歌舞の菩薩は 雲に袖をひるがへし |
| J18_0169B19: | 持幡供花の莊嚴は 風にまかせてみだれたり |
| J18_0169B20: | 觀音勢至諸薩埵 光の中にみちみてり |
| J18_0169B21: | をのをの威德あらはれて こゑこゑ行者をほめ給ふ |
| J18_0169B22: | 眼にみてる慈悲のいろ おつる涙もとどまらず |
| J18_0169B23: | 耳にきこゆる法の聲 歡喜の心いくばくぞ |
| J18_0169B24: | すなはら紫雲たなびきて 柴の戸ぼそに立めぐり |
| J18_0169B25: | 恆沙の衆會もろともに 前後左右に下り給ふ |
| J18_0169B26: | 庵の上には諸化佛 星をつらねて影向し |
| J18_0169B27: | 苔の庭には諸聖衆 光をならべて長跪せり |
| J18_0169B28: | 伎樂の菩薩も此時に 踊躍歡喜やすからず |
| J18_0169B29: | 絲竹のしらべ雲をわけ 徘徊よそほひ地を照す |
| J18_0169B30: | 時に大悲觀世音 やうやくあゆみ近づきて |
| J18_0169B31: | 紫磨金の身をまげて 蓮臺かたふけよせたまふ |
| J18_0169B32: | 次に勢至大薩埵 聖衆同時に讃歎し |
| J18_0169B33: | 大定智悲の手をのべて 行者の頭をなで給ふ |
| J18_0169B34: | 遂に引接したまひて 金蓮臺にのせたまふ |