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J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0169A01: 來迎讃 惠心僧都御作
J18_0169A02: 攝取不捨の光明は 念する所を照すなり
J18_0169A03: 觀音勢至の來迎は 聲をたつねて迎ふなり
J18_0169A04: 娑婆界をはいとふべし いとはば苦海を渡りなん
J18_0169A05: 安養界をはねがふべし ねがはば淨土に生るべし
J18_0169A06: 草の庵しづかにて 八功德池にこころすみ
J18_0169A07: ゆふべの嵐音なくて 七重寳樹にわたるなり
J18_0169A08: 臨命終の時いたり 正念たかはで西にむき
J18_0169A09: 頭をかたむけ手をあはせ いよいよ淨土を欣求せん
J18_0169A10: きけは西方界のそら 伎樂歌詠ほのかなり
J18_0169A11: 見れは綠の山の端に 光雲はるかにかかやけり
J18_0169A12: この時身心やすくして 念佛三昧現前し
J18_0169A13: 毫光わが身を照して 無始の罪障消滅す
J18_0169A14: 光雲やうやくちかづきて 瞻仰すれは彌陀尊
J18_0169A15: 相好圓滿し給ひて 金山王のごとくなり
J18_0169A16: 烏瑟たかくあらはれて 晴の天にみとりなり
J18_0169A17: 白毫右にめぐりて 眉の間にかかやけり
J18_0169B18: 管絃歌舞の菩薩は 雲に袖をひるがへし
J18_0169B19: 持幡供花の莊嚴は 風にまかせてみだれたり
J18_0169B20: 觀音勢至諸薩埵 光の中にみちみてり
J18_0169B21: をのをの威德あらはれて こゑこゑ行者をほめ給ふ
J18_0169B22: 眼にみてる慈悲のいろ おつる涙もとどまらず
J18_0169B23: 耳にきこゆる法の聲 歡喜の心いくばくぞ
J18_0169B24: すなはら紫雲たなびきて 柴の戸ぼそに立めぐり
J18_0169B25: 恆沙の衆會もろともに 前後左右に下り給ふ
J18_0169B26: 庵の上には諸化佛 星をつらねて影向し
J18_0169B27: 苔の庭には諸聖衆 光をならべて長跪せり
J18_0169B28: 伎樂の菩薩も此時に 踊躍歡喜やすからず
J18_0169B29: 絲竹のしらべ雲をわけ 徘徊よそほひ地を照す
J18_0169B30: 時に大悲觀世音 やうやくあゆみ近づきて
J18_0169B31: 紫磨金の身をまげて 蓮臺かたふけよせたまふ
J18_0169B32: 次に勢至大薩埵 聖衆同時に讃歎し
J18_0169B33: 大定智悲の手をのべて 行者の頭をなで給ふ
J18_0169B34: 遂に引接したまひて 金蓮臺にのせたまふ

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