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J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0167A01: 念佛せされはわひしかりけり
J18_0167A02: なれぬれはいたつらわさも捨かたし
J18_0167A03: 只念佛のくせを付へし
J18_0167A04: はけませはうら思ひする事もなし
J18_0167A05: おこたるにこそ疑ひもあれ
J18_0167A06: 只申せ申す内にはをのつから
J18_0167A07: 深きまこともおこりこそすれ
J18_0167A08: 極樂の事のみせめてまめやかに
J18_0167A09: よにはいつはる心ありとも
J18_0167A10: 三心はしること安く具し難く
J18_0167A11: しる事かたく具し安きなり
J18_0167A12: 阿彌陀佛と稱る心いさみあらは
J18_0167A13: われ三心を具すと知るへし
J18_0167A14: 誠あれは叶はぬ道もかなふなり
J18_0167A15: まして佛の誓ひあるをや
J18_0167A16: 大なる道一筋をたしなみて
J18_0167A17: 拙きわさにこころととむな
J18_0167B18: 法のため捨果たりし身の上に
J18_0167B19: 名のみ惜みて何にかはせん
J18_0167B20: 博學は事おほくして心ちる
J18_0167B21: こころちりてはこころさしなし
J18_0167B22: 夢の世はとまれかくまれ歎くなよ
J18_0167B23: 覺めて臺にのほる身なれは
J18_0167B24: 師の沒後厭求法師か夢に或人來りてこれなん
J18_0167B25: 無能和尚の歌に侍るとてあたへける
J18_0167B26: 片時もわすれしものよあたし野の
J18_0167B27: 草の葉ことにおく露の身を
J18_0167B28: 伊呂波讃
J18_0167B29: むかし高野大師。諸行無常の四句の偈を和らげ。梵
J18_0167B30: 書四十七の字母に准へて。以呂波を作り。深き御法
J18_0167B31: の理りを淺き言の葉に託て。誘引の方便となし給へ
J18_0167B32: り。今師も又これに俲ひて。色葉の文字を句の上に
J18_0167B33: 冠らしめ。惣て五十八句の和讃をつづりて伊呂波讃
J18_0167B34: と名け。信樂の誠を諷詠にあらはし。以て厭欣をす

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