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J2660 無能和尚行業記 宝洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0166A01: 世のうさはいつくも同し天か下
J18_0166A02: なかくふるにそ袖はぬれける
J18_0166A03: そのままに心も身をもあらためす
J18_0166A04: 賴めはすくふ誓ひとそきく
J18_0166A05: 千早振神も心をなくさむと
J18_0166A06: 聞くもたふとき南無阿彌陀佛
J18_0166A07: 鳥部野の煙を夢のしるへにて
J18_0166A08: 消殘る身もうつつとは見す
J18_0166A09: いつくにか心ととめん難波潟
J18_0166A10: あしわけ小舟さはりある世に
J18_0166A11: 春霞こころの空は晴れねとも
J18_0166A12: 雪もろともに罪やきえなん
J18_0166A13: 極樂をまことにねかふ人ならは
J18_0166A14: 世の住うきや嬉しからまし
J18_0166A15: 流浪生死
J18_0166A16: ここにきえかしこにむすふうたかたの
J18_0166A17: よるへ定めぬ身こそ悲しき
J18_0166B18: 中なかに身を思はねは身も安し
J18_0166B19: 身を思ふにそ身は苦しけれ
J18_0166B20: 立のほる香の煙の色かへて
J18_0166B21: いつむらさきの雲となるらん
J18_0166B22: 少欲知足
J18_0166B23: 何事もなきにたりぬる身そ安き
J18_0166B24: 思ひもとむる心なけれは
J18_0166B25: 不知足
J18_0166B26: 暮るる間を待もあやふき露の身に
J18_0166B27: 求めもあかぬ人そはかなき
J18_0166B28: 諸ともに唱ふる御名を種として
J18_0166B29: 同しはちすの身をやむすはん
J18_0166B30: 南無阿彌陀佛ほとけまかせの心には
J18_0166B31: 思ひわつらふ事の端もなし
J18_0166B32: 幾世へしうさもつらさもけふあすと
J18_0166B33: 思へは安くしのはれにけり
J18_0166B34: 初にはものうかりしか今はまた

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