浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0157A01: | に彌陀尊護念力の加し給へる故と思はれ。稱名の信 |
| J18_0157A02: | 心ますます決定し。順生極樂毛頭も疑ひなく。今は |
| J18_0157A03: | ただつらき命の。猶存へて。淨土往詣の待遠きを |
| J18_0157A04: | 歎く斗にて。折折は上人の生なは念佛の功をつ |
| J18_0157A05: | み。死なは淨土に往生せんなと。仰られし御詞を思 |
| J18_0157A06: | ひ出し。うき中に心を慰め明し暮し候ぬ。寔に夢幻 |
| J18_0157A07: | 泡影の境。何事にか心を留ん。電光朝露の命。餘算 |
| J18_0157A08: | 幾時をか期すべき。唯萬事を思ひ捨て。一筋に往生 |
| J18_0157A09: | の一路を守るへき事なり。ここを以て永觀律師は値 |
| J18_0157A10: | かたくして一たひ遇へり。豈身命を惜まんやと。宣 |
| J18_0157A11: | ひ。記主禪師は。萬劫に希に聞き。今始て逢奉る。 |
| J18_0157A12: | 萬事を抛つべき時なりと仰られたり。誰誰にも此こ |
| J18_0157A13: | とはりを仰せ傳へられ。隨分に稱名正業相勵まさ |
| J18_0157A14: | れ。順次往生の本意を遂給ふべし。露の命。若消や |
| J18_0157A15: | らずして明年までも存へ候はは。夏秋の比罷下り。 |
| J18_0157A16: | 安心の物語をも申すべく候。若將往生を得候はは。 |
| J18_0157A17: | 安養一蓮の時を期すべく候 |
| J18_0157B18: | 故郷の戀しかりける歸るさは身のつかれをもおもひ |
| J18_0157B19: | やはする |
| J18_0157B20: | 何事もおもひすてつついのるかな臨終正念往生淨土 |
| J18_0157B21: | と |
| J18_0157B22: | 又或時同し法師の許へ遣はされし消息に云 |
| J18_0157B23: | 愚僧も舊冬より小島へ引越し。いよいよ間暇の身に |
| J18_0157B24: | 罷成候ゆへ。導師の上品往生阿彌陀佛國の願文。又 |
| J18_0157B25: | 空師の若願力によりて生るべくは。上品なんぞ望を |
| J18_0157B26: | 絶んとの御示し。向上人の位を上品にあてて。隨分 |
| J18_0157B27: | に勵むべしとの御詞、ふかく心に染候ゆへ。正月元 |
| J18_0157B28: | 日よりは。身不肖なれとも。志上品を期し。機拙な |
| J18_0157B29: | けれ共。日課十萬以上と心懸け。大樣十一萬並に勤 |
| J18_0157B30: | め候。然れ共生れ付たる妄念はうすろがず。散亂も |
| J18_0157B31: | しづまらず。切に歎かはしけれとも。他力を賴む故實 |
| J18_0157B32: | は。かかる淺ましき心故と。いよいよ信心を增し候。 |
| J18_0157B33: | 誠にかかる拙き身の十一萬以上の日課に及ひ候事。 |
| J18_0157B34: | 偏に。彌陀大願慈力光明攝取の御利益と存し。順次 |