浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0139A01: | 盟期一蓮 |
| J18_0139A02: | 淨業熏深能事圓。無能喚醒世能愆。一朝忽聽訃音 |
| J18_0139A03: | 到。不覺雙眸涙澘然 |
| J18_0139A04: | 身を捨て法のためにと空蟬の世をいとひつつさるそ |
| J18_0139A05: | 賢こき |
| J18_0139A06: | 一門人蓮心遺命に依て。師の舊房に住居しけるが。 |
| J18_0139A07: | 或夜の夢に。師の遺骸に傍て守り居けると覺えし |
| J18_0139A08: | に。師たちまち兩眼を開き點頭ましましける故。蓮 |
| J18_0139A09: | 心思ふやう。師既に命終し給ひしに。かくまします |
| J18_0139A10: | は。定て蘇生し給ふにやと。驚き悅て。近く貌を指寄 |
| J18_0139A11: | せ伺ひ奉りけれは。師言葉を出し。念佛はただ何程 |
| J18_0139A12: | も多く申に過たる事なし。しどけなく申ちらしたる |
| J18_0139A13: | 念佛までも。皆往生の業と成なりと。仰せられて又 |
| J18_0139A14: | 本のごとく目をふさぎて死し給ふとおもふ内に夢さ |
| J18_0139A15: | め侍りきと |
| J18_0139A16: | 一相馬幾世橋に知足といへる遁世の僧あり。遙かに |
| J18_0139A17: | 師の所勞のやうなと思ひ遣りて。心許なく案し居た |
| J18_0139B18: | るに。享保四年正月朔日の夜丑みつの程。夢見ら |
| J18_0139B19: | く。師の法相歷然として。前に現じ。念佛はただ申 |
| J18_0139B20: | せ。唯申が能なりと。繰返し三返まで宣ふを聞て。 |
| J18_0139B21: | 肝に銘じありがたく思ふ内に夢さめぬと。夫宗門の |
| J18_0139B22: | 至極。念佛には何の子細もなく。只生れ付のままに |
| J18_0139B23: | て。ほとけ助給へとおもひて稱るばかりなり。元祖 |
| J18_0139B24: | 大師御往生の後。三井寺の住心房に夢の中に問はれ |
| J18_0139B25: | ても。阿彌陀佛は。またく風情もなしたた申なり |
| J18_0139B26: | と。大師の御答ましませし事。おもひ合せて。今の |
| J18_0139B27: | 夢想まことに感おほくぞ侍る |
| J18_0139B28: | 一伊達郡大枝村に。佐藤吉藏といへる者あり。師の |
| J18_0139B29: | 染筆の名號を持佛堂に掛置て。常常信崇しけるが。 |
| J18_0139B30: | 正月四日の朝。その名號より夥しく光明の輝くを拜 |
| J18_0139B31: | しけり。いとありがたき事におもひ居けるに。同六 |
| J18_0139B32: | 日師の往生し給へる由を聞て。驚き來てかくと語り |
| J18_0139B33: | 侍る。四日は師の送葬の日なりけり |
| J18_0139B34: | 一同郡南半田村に。松野善之丞といふ者あり。師の |