浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J18_0138A01: | を忘れ。佛道修行の心もなし。後世者といふ人も。 |
| J18_0138A02: | 世の賑ひに推移された。浮虚浮虚と暮す類ひ少から |
| J18_0138A03: | ず。昔一休禪師。元日に天靈蓋を持て。都に出。人 |
| J18_0138A04: | の門ごとに指入れて。これぞ目出たし。御用心といひ |
| J18_0138A05: | て。廻られけるとかや申傳へしも。諸人の無常を打忘 |
| J18_0138A06: | れ。長閑に思ひあひたるを。あさ猿とおぼしての所 |
| J18_0138A07: | 爲なるべし。されば願て叶ふへくは。あはれ五箇日 |
| J18_0138A08: | の内に。終りを取りて。人人に世のはかなさを示し |
| J18_0138A09: | たき者なりと申されしに。果して二日の往生。誠に |
| J18_0138A10: | 素願に相叶ひて。不思議に侍る由みな人語りける。 |
| J18_0138A11: | かの西行法師の。衣更着の望月の頃を願ひて。滅を |
| J18_0138A12: | 示されしなど。師師の意樂殊なりといへとも。其所 |
| J18_0138A13: | 願の幸に相叶へる事。あはれに貴くぞ侍る |
| J18_0138A14: | 一師既に往生を遂られしかは。東域の受化むなしく |
| J18_0138A15: | 隔たり。西刹の同生を賴むばかりにて。遠近の緇 |
| J18_0138A16: | 白。告ざるに。爰かしこにて。中陰の佛事。百萬遍 |
| J18_0138A17: | の興行など。いと慇懃なりけり。其法化の人を感せ |
| J18_0138B18: | しむる事。深きにあらずは。何ぞ能かくの如くなる |
| J18_0138B19: | 事を得んや。師遺言の旨ありといへとも。受化の四 |
| J18_0138B20: | 輩相ひ議して。世の風儀に隨ひ。かつは報恩の爲 |
| J18_0138B21: | に。塔を立。眞影を造りて。廓室に安置しけり。こ |
| J18_0138B22: | の外所所行化の地にも。をのをの。石浮圖を建て。 |
| J18_0138B23: | 謝德の志に擬す。予衆の請に應じて不斐をかへり見 |
| J18_0138B24: | ず。猥りに塔上の誌銘を記す。誌の文繁きが故に玆 |
| J18_0138B25: | に載ず。其銘にいはく。 |
| J18_0138B26: | 淑人乘運 東陲禀神 殉道委命 敷化忘身 |
| J18_0138B27: | 安養行業 惟一惟純 表塔慕德 甘棠情新 |
| J18_0138B28: | 又予曾て輓偈を賦して師を悼む有引略之 |
| J18_0138B29: | 夙植靈苗備衆芳。生前偏慕白蓮郷。道崇東嶽 |
| J18_0138B30: | 域中顯。身輶秋毫塵裡藏。松島眞風追見佛。石 |
| J18_0138B31: | 垣高軌俲金光。可悲慧日沒西去。冥冥群萠夢更 |
| J18_0138B32: | 長 |
| J18_0138B33: | 水雲生絶纏。課佛念彌堅。住世纔三紀。度人幾萬 |
| J18_0138B34: | 員。東州收化去。西土得祥還。道貌無由見。會 |