浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0081A01: | きなりと。又恒に弟子を誡めて云く朝夕の勤行を懈 |
J18_0081A02: | 怠すべからず。平日袈裟直綴を脱べからず。今時の |
J18_0081A03: | 俗にを見るに今剃の道心者をば深く敬ひ。幼年より |
J18_0081A04: | 出家して寺院に住職する僧をは却て敬はざる也。そ |
J18_0081A05: | の故は今剃の道心坊主は眞實の志あるゆへに朝夕の |
J18_0081A06: | 勤行も懈怠せず。假初に物を食すれども十念し回向 |
J18_0081A07: | して食す袈裟衣をも隨分脱ずして念佛する也。寺院 |
J18_0081A08: | に住持する僧は却て朝夕の勤行を怠り食時も無慚愧 |
J18_0081A09: | の躰たらくなり。平日多分白衣にして。勤行及び客 |
J18_0081A10: | 應對の外は袈裟衣をも着ず放逸なればなり。俗仁實 |
J18_0081A11: | に眼あり慚愧すべしと |
J18_0081A12: | ○師或時示して云く元祖上人の詞に。煩惱の薄厚を |
J18_0081A13: | も顧みず罪障の輕重をも沙汰せざれといへり。惡見 |
J18_0081A14: | の人此詞を心得違ひて顧見ざれ沙汰せざれといふを |
J18_0081A15: | 苦しからずといふ事なりと思ふは大ひなる誤りな |
J18_0081A16: | り。煩惱は惡しき物にて嫌はしければ顧みざれと仰 |
J18_0081A17: | られたり。譬へば道のほとりに見苦しき不淨の物あ |
J18_0081B18: | らば目を塞ぎて二目と顧みずして通るべきがごとく |
J18_0081B19: | 煩惱は佛道のほとりの不淨の物なれば二目と顧みず |
J18_0081B20: | して早く過よといふ事なり。又罪は佛法淸淨の中に |
J18_0081B21: | は惡しき物にて嫌はしければ沙汰せざれと仰られ |
J18_0081B22: | たるなり。譬へば我身の上にあさましき惡事あらん |
J18_0081B23: | に人來りて念比に其事を尋ね聞ば左樣なる事は某が |
J18_0081B24: | 身の上の恥なればかさねて御沙汰御無用と答へん |
J18_0081B25: | がごとし。罪障は行者の身の上のはづかしき惡事な |
J18_0081B26: | れば重て沙汰も無用の事なる故に沙汰せざれと仰ら |
J18_0081B27: | れたり沙汰するだに嫌はしく。增して罪を作らば重 |
J18_0081B28: | 重のあやまちなり。さればとて不圖あやまりて作り |
J18_0081B29: | たらん時。沙汰をだに嫌ひ給ふ罪を作りたりとて深 |
J18_0081B30: | く歎くは即ちそれが沙汰といふものになるなり。若 |
J18_0081B31: | あやまりて罪を造りたらん時は念をへだてず時をへ |
J18_0081B32: | だてず日をへだてず南無阿彌陀佛ととなへて懺悔す |
J18_0081B33: | べきなり是隨犯隨懺の故實なり |
J18_0081B34: | ○或人師に向ふて云く。一向專修の行者。餘法を捨 |