浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J18_0077A01: | の導師は即ち方丈に讓る。方丈良秀上人香を拈し回 |
J18_0077A02: | 向し畢りて。先大師を拜し次に師を拜して云く再來 |
J18_0077A03: | の導師大悲の薩埵。宿縁深厚にして能衆生を度す。 |
J18_0077A04: | 他の及ばざる所なり我是を尊びて萬分の一を謝すと |
J18_0077A05: | 云ひ畢りて又拜す。師叉手して云く讃言甚だ過我を |
J18_0077A06: | して罪を得せしむと。云畢りて上人を拜す。滿座の |
J18_0077A07: | 貴賤親たり見聞して感歎せざるはなし |
J18_0077A08: | ○攝州勝尾寺二階堂圓光大師の舊跡念佛回向の時。 |
J18_0077A09: | 師と本山百萬遍の光譽上人と互ひに導師を勤める。 |
J18_0077A10: | 又件の所にて元祿の末大ひに念佛を修する事あり回 |
J18_0077A11: | 向の導師は本山知恩院の秀道上人なり。説法の導師 |
J18_0077A12: | は即ち師これを執行せらる。師の化導遠近に及びて |
J18_0077A13: | 諸人歸依渴仰すること大旱に雲霓を望むが如し |
J18_0077A14: | ○師老衰の後日課を增進す。多分七日に百萬返を成 |
J18_0077A15: | 就す。或は又六日八日九日に百萬返を成就す秘して |
J18_0077A16: | 他に語らず弟子の輩時時師を伺ふに深更といへとも |
J18_0077A17: | 稱名絶ず。毎時感涙することありて發聲念佛すその由 |
J18_0077B18: | いかんといふことを知らず |
J18_0077B19: | ○師或時おもむろに二三子に語りて云く。我老衰に |
J18_0077B20: | 迫る。日あらずしで必ず淨土に逝ん。若淨土に至りな |
J18_0077B21: | ば速かに自在身を得て近くは彌陀に奉事し遠くは十 |
J18_0077B22: | 方に遊化し上諸佛を供養し下衆生を濟度せんこと豈歡 |
J18_0077B23: | 喜せざらんや。一惑未斷の我等稱名の一行を以て報 |
J18_0077B24: | 土へ直入する事は偏へに佛願力による。仰ひで是を |
J18_0077B25: | 信じ伏してこれを思ひ須臾もわすれず自然に念佛を |
J18_0077B26: | 增進す。予中年に一夏九旬の内に十箇の百萬返を修 |
J18_0077B27: | せし事あり萬事を放下し晝夜不退にして始めて是を |
J18_0077B28: | 成就せり。今は爾らず餘事を捨ずしても七八日には |
J18_0077B29: | 必ず百萬返を成就す老ては睡眠薄き故に自から數萬 |
J18_0077B30: | の功も成ずるなり。汝等常に策勵して怠ることなか |
J18_0077B31: | れ。然といへども多少の數を以強ちに要とすべから |
J18_0077B32: | ず。空しく數萬の功を積といへども邪解或は不安心 |
J18_0077B33: | なれば淨土に生ずることを得ず念佛は一念に一度の往 |
J18_0077B34: | 生を誓ふ本願なる故に疑ひなく深く信じて是を修す |