浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0072A01: | 念佛一行超生死 善惡凡夫生淨土 |
J18_0072A02: | 和合院又告て云く往昔師の敎化に依て念佛を修し往 |
J18_0072A03: | 生を期すれども但稱一行を以て順次の往生を遂るの |
J18_0072A04: | 義疑なきにしもあらず。是故に或は法花經を讀誦し |
J18_0072A05: | 陀羅尼を持念し又は圓頓一實の觀をなして思ひを一 |
J18_0072A06: | 心三觀の月に凝す。是を修しても修し得ず彼を行じ |
J18_0072A07: | ても行じ得ず。念佛を修すといへ共意未だ安穩なら |
J18_0072A08: | ず。然るに今再び敎化を蒙りて迷雲忽ち散じ疑霧永 |
J18_0072A09: | く消す念佛の一行安心决定す順次往生掌を指が如し |
J18_0072A10: | 曠劫の大慶何事かこれにしかんと。云畢りて再拜 |
J18_0072A11: | す。大衆も又一同に師を拜して去大衆の中に始めて |
J18_0072A12: | 發心して專修念佛の行者と成る輩又すくなからず。 |
J18_0072A13: | 又大坊に於て翌日請に應じて説法云云す |
J18_0072A14: | ○師月山に登る。兼てより此山上に彌陀或は大日の |
J18_0072A15: | 來迎ありといふことを聞てこれを拜覽せんと欲す。 |
J18_0072A16: | 此上に歸宿し終日念佛す。果して彌陀尊を拜見する |
J18_0072A17: | 事數度なり。弟子の輩も又これを拜す。然るに諸人の |
J18_0072B18: | 所見不同なり或は金色の像。或は影の如く薄墨色に |
J18_0072B19: | して分明ならず。或は丈六八尺或は極大極小何れと |
J18_0072B20: | も悉く輪光あり。或は又一向に拜見せざる者もあり。 |
J18_0072B21: | 眞僞不審に岐にただよふ。師の云く機感佛應理趣必 |
J18_0072B22: | 然なりこれを疑ふべからず。若信力によりて拜せば |
J18_0072B23: | 強ちに處によるべからず何くにありても拜見すべし |
J18_0072B24: | 然るに此山上に來迎ありといふ事は諸人深く信じて |
J18_0072B25: | 疑はず仍て拜することあるべき道理必然なり。その |
J18_0072B26: | 拜見せざるものは自の宿障によるべし。眞僞に至り |
J18_0072B27: | ては凡そ益ある事は皆是善なり益なき事は皆是惡な |
J18_0072B28: | り。妄りにこれを論ずることなかれと。時に當山の |
J18_0072B29: | 僧及び山伏諸國の山伏並に同行數千人堂下に群集し |
J18_0072B30: | て師を絶頂の拜堂に請じて敎示を願求す。師則ち説 |
J18_0072B31: | 法すること數刻に及ぶ。其時一人の山伏忽然として |
J18_0072B32: | 師の前に立。大音聲を揚て云く當山は彌勒佛の靈塲 |
J18_0072B33: | たり。未來成道して龍華會の節始めて此所に説法す |
J18_0072B34: | るを待のみ。若彌勒にあらずんば誰か爰に説法せん。 |