浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0071A01: | 楞嚴經には是を金鑛灰木に譬へ玉へり。謂く既に鑪 |
J18_0071A02: | に入る金をば好金といふ。未だ鑪に入らざる金をば |
J18_0071A03: | 山鑛と云ふ鑛は凡夫にたとへ金は佛果にたとふ。山 |
J18_0071A04: | 鑛一度鑪鍛に入りて好金と成れば再び元の山鑛とは |
J18_0071A05: | 成らざるなり。凡夫一度正覺を取て佛と成りて後は |
J18_0071A06: | 再び凡夫とは成らざるなり。又凡夫は木の如く佛果 |
J18_0071A07: | は灰のごとし一度木を燒て灰となす此灰再び元の木 |
J18_0071A08: | とは成ならざるが如く。一度成佛して後は却りて又 |
J18_0071A09: | 再び元の凡夫とは成らざるなり。故に知んぬ一度彌 |
J18_0071A10: | 陀の正覺を取て後は又再び凡夫と成るの理あること |
J18_0071A11: | なし。然らば則ち本願成就して一切衆生往生する事 |
J18_0071A12: | 决定不改の道理なり。本願に乃至十念といふ上は一 |
J18_0071A13: | 形を盡し下は十念一念に至るまで往生する事决定の |
J18_0071A14: | 道理なり。本願に十方衆生といふ僧俗貴賤持破善惡 |
J18_0071A15: | 男女老少を擇ばず皆悉く往生を得る事决定の道理な |
J18_0071A16: | り。故に深 此本願を信じ常に罪惡を恐れ一心不亂 |
J18_0071A17: | に念佛すれば十人が十人ながら順次往生に相違な |
J18_0071B18: | きなり。世に一類の人ありていふ深く本願を信じて |
J18_0071B19: | 一度彌陀を賴み念佛する人は罪惡を恐るべからず。 |
J18_0071B20: | 若罪惡を恐るる時は本願を疑ふに成る本願は五逆を |
J18_0071B21: | も救ふ。我等いかに惡を作れども未だ五逆を作ら |
J18_0071B22: | ず。然らば十惡を作るは全く恐るる所にあらずと。 |
J18_0071B23: | 是の如き人は大邪見なり附佛法の外道なり必ず信受 |
J18_0071B24: | すべからず。祖師上人の云く惡人も往生すれども惡 |
J18_0071B25: | 業は往生の障りなりと。深く此語を信受すべし。一 |
J18_0071B26: | 念顚倒すれば地獄に入る事矢の如し恐れ愼まずんば |
J18_0071B27: | あるべからず。又妄念異念を止て念佛せよといふに |
J18_0071B28: | あらず。妄念の起るに隨ひ異念の生ずるに就ても彌 |
J18_0071B29: | 彌高聲に念佛すれば妄念に妨げられぬ念佛ぞといふ |
J18_0071B30: | 事なり。返すがえす萬事を放下し一向念佛すべしと云 |
J18_0071B31: | 云。其時一會の大衆尊重歸敬して本願に歸伏し念佛 |
J18_0071B32: | を仰信す。和合院は感激衣を沾し立て師を拜し謁を |
J18_0071B33: | 説て讃歎して云く |
J18_0071B34: | 大悲薩埵化來師 直説西方願王意 |