浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J18_0069A01: | へ易し。當今出離生死の要法は唯彌陀の本願に乘じ |
J18_0069A02: | て念佛往生するにあるのみ念佛は是佛の本願なり仍 |
J18_0069A03: | て念佛をするものは决して順次に往生す。餘行は然 |
J18_0069A04: | らず本願に非るが故なり。淨土に生せんと欲するも |
J18_0069A05: | のは智愚を論ぜず持破をえらばず男女を隔てず善惡 |
J18_0069A06: | をとはず。唯本願を信じて常に名號をとなふれば一 |
J18_0069A07: | 惑未斷の凡夫といへ共速に淨土に往生す。淨土は是 |
J18_0069A08: | 報身報土なり化身化土に非ず分別思議の及ばざる所 |
J18_0069A09: | 唯仰ひで信ずべきのみ。此念佛は本願なるが故に往 |
J18_0069A10: | 生を得るの法に必定せり。我是のごとくいふといへ |
J18_0069A11: | 共我又いかなる由ある事をしらず。唯我知らざるの |
J18_0069A12: | みにあらず十方諸佛も又是を知り給はず故に是を讃 |
J18_0069A13: | 歎して不可思議功德とのみいふことを得たり。火は |
J18_0069A14: | 自然にあつく水は自然に凉しその由を知らず。念佛 |
J18_0069A15: | も又自然に往生すその由を知らず此故に往生を得ん |
J18_0069A16: | と欲せば但信じてこれを修せよ毫髮ばかりも疑ふべ |
J18_0069A17: | からす。法華經に諸法實相の旨を述。その諸法に十如 |
J18_0069B18: | 是を以て具にこれを説。故に十界因果の諸法なり即 |
J18_0069B19: | ち實相の因實相の果なるが故に十界の業果皆是實相 |
J18_0069B20: | なれば衆生の善惡一毫も失せず凡夫の作業大小共に |
J18_0069B21: | 違はず其業因のごとくその果報を得。譬へ物を打ば |
J18_0069B22: | 其音出るが如し大ひに打ば大音あり少く打ば小音あ |
J18_0069B23: | り即ち是實相打に隨ふて音を出す毫釐も違はず法界 |
J18_0069B24: | の心性即ち音と成りて出。我等が心性全く他物にあ |
J18_0069B25: | らず。同一法性。業に循ふて變現す地獄天宮森羅萬像 |
J18_0069B26: | 十界依正亦復是の如し故に諸法といふ即ち實相也古 |
J18_0069B27: | 人或は實相は無相なり諸法を泯絶して一物もなき眞 |
J18_0069B28: | 理を指といふは然らず。實とは眞實にして虚妄なら |
J18_0069B29: | ざる義なり。相とは相狀にして名名の法相を顯はす。 |
J18_0069B30: | 事は事のごとく諸法の相狀なり理は理のごとく但理 |
J18_0069B31: | 空理一理圓理等の相狀なり今は圓理をいふしかも其 |
J18_0069B32: | 法のごとくこれを顯はして分つべきこれを相といふ |
J18_0069B33: | なり。然るに是の如き實相の因果の諸法又分別思議 |
J18_0069B34: | の及ぶべき所にあらず故に妙法といふ。妙は是不可 |