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J2620 以八上人行状記 素信 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0777A01: 尊院の寶藏に祕して出さず。古來しばしばもとむる
J17_0777A02: 人あれどもかたくゆるさず。ここをもつて。法親王
J17_0777A03: にことのよしを申奉る。法親王これを 法皇に奏し
J17_0777A04: たまひつゐに詔を下してさがの寶庫をひらき大父梁
J17_0777A05: 道をしてこれをうつさしめたまふ。今天下の檀林ま
J17_0777A06: で元祖大師の新戒儀流布すること源尊統法親王の高
J17_0777A07: 慮より出てまつたく梁道陪從の功。護法心のゆへな
J17_0777A08: り。終に法縁純熟して法親王示寂の前日。時に正德
J17_0777A09: 元年五月十七日のくれ左右をかへり見たまひて宣は
J17_0777A10: く。我疾病また起べからず。さいはひに淨土に生ぜ
J17_0777A11: ん。これ吾夙望なり。還來度人豈こころよからざら
J17_0777A12: んやと死を視ること歸るがごとし。すこしも憂色な
J17_0777A13: し。しばらくありてまたいはく受戒傳法はこれ沙門
J17_0777A14: の軌則。一日もこれなくんばあるへからず。沙門の
J17_0777A15: 沙門たる所以はただこれ此而已。長幼尊卑またこれ
J17_0777A16: によりて分る。われ年わかきをもつていまだ法水に
J17_0777A17: 浴せず。いま大限すでにいたる。ふかくうらみとす
J17_0777B18: るのみ。誰かよくよくわれをして禀承を闕ざらしめ
J17_0777B19: んやと。すなはち華頂の義山和尚を請じて師とす。
J17_0777B20: 山公授るに圓頓大戒をもつてし。また宗門の奧義を
J17_0777B21: つとふ。親王忻然として領受し。歡喜合掌していは
J17_0777B22: く宿望已に足れりまた何をかおもはんや。すなはち
J17_0777B23: 彌陀を禮し頭面に接足し高聲に佛をとなふること二
J17_0777B24: 三百遍側侍助和す。すなはち左右につげていはく今
J17_0777B25: 佛像の白毫光をはなちて我面をてらす。汝等見るや
J17_0777B26: としばらくありて應譽大僧正問訊し給。親王つげて
J17_0777B27: いはく大期遠からず我先往生す。ねがはくは半座を
J17_0777B28: とどめて師を花臺にまたん。再會淨土を期するの
J17_0777B29: み。また綵線をもとめてもつて佛手に繫け手づから
J17_0777B30: これをとり。仰て迎接をまちたまふに御掌たちまち
J17_0777B31: 金華線をつらぬいて纍纍として降きたるを見たまひ
J17_0777B32: 告ていはく。汝等見るや否やと。凡そ早旦よりこの
J17_0777B33: かたおもてに喜色ありて時時ゑみをふくみ給ふ得る
J17_0777B34: 所あるがごとし。左右問ひたてまつりていはく比來

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