浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0777A01: | 尊院の寶藏に祕して出さず。古來しばしばもとむる |
J17_0777A02: | 人あれどもかたくゆるさず。ここをもつて。法親王 |
J17_0777A03: | にことのよしを申奉る。法親王これを 法皇に奏し |
J17_0777A04: | たまひつゐに詔を下してさがの寶庫をひらき大父梁 |
J17_0777A05: | 道をしてこれをうつさしめたまふ。今天下の檀林ま |
J17_0777A06: | で元祖大師の新戒儀流布すること源尊統法親王の高 |
J17_0777A07: | 慮より出てまつたく梁道陪從の功。護法心のゆへな |
J17_0777A08: | り。終に法縁純熟して法親王示寂の前日。時に正德 |
J17_0777A09: | 元年五月十七日のくれ左右をかへり見たまひて宣は |
J17_0777A10: | く。我疾病また起べからず。さいはひに淨土に生ぜ |
J17_0777A11: | ん。これ吾夙望なり。還來度人豈こころよからざら |
J17_0777A12: | んやと死を視ること歸るがごとし。すこしも憂色な |
J17_0777A13: | し。しばらくありてまたいはく受戒傳法はこれ沙門 |
J17_0777A14: | の軌則。一日もこれなくんばあるへからず。沙門の |
J17_0777A15: | 沙門たる所以はただこれ此而已。長幼尊卑またこれ |
J17_0777A16: | によりて分る。われ年わかきをもつていまだ法水に |
J17_0777A17: | 浴せず。いま大限すでにいたる。ふかくうらみとす |
J17_0777B18: | るのみ。誰かよくよくわれをして禀承を闕ざらしめ |
J17_0777B19: | んやと。すなはち華頂の義山和尚を請じて師とす。 |
J17_0777B20: | 山公授るに圓頓大戒をもつてし。また宗門の奧義を |
J17_0777B21: | つとふ。親王忻然として領受し。歡喜合掌していは |
J17_0777B22: | く宿望已に足れりまた何をかおもはんや。すなはち |
J17_0777B23: | 彌陀を禮し頭面に接足し高聲に佛をとなふること二 |
J17_0777B24: | 三百遍側侍助和す。すなはち左右につげていはく今 |
J17_0777B25: | 佛像の白毫光をはなちて我面をてらす。汝等見るや |
J17_0777B26: | としばらくありて應譽大僧正問訊し給。親王つげて |
J17_0777B27: | いはく大期遠からず我先往生す。ねがはくは半座を |
J17_0777B28: | とどめて師を花臺にまたん。再會淨土を期するの |
J17_0777B29: | み。また綵線をもとめてもつて佛手に繫け手づから |
J17_0777B30: | これをとり。仰て迎接をまちたまふに御掌たちまち |
J17_0777B31: | 金華線をつらぬいて纍纍として降きたるを見たまひ |
J17_0777B32: | 告ていはく。汝等見るや否やと。凡そ早旦よりこの |
J17_0777B33: | かたおもてに喜色ありて時時ゑみをふくみ給ふ得る |
J17_0777B34: | 所あるがごとし。左右問ひたてまつりていはく比來 |