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J2620 以八上人行状記 素信 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0774A01: 言の答なし。師かさねて告て曰。止なんなん敢て遠
J17_0774A02: くゆくことなかれ。汝たとひ雲水を萬里に踏。風霜
J17_0774A03: を百邦に犯して彼善財の南詢にならふとも。稱名ね
J17_0774A04: んぶつの萬行に秀たるを修得せんにはしかし。汝這
J17_0774A05: 關を透不得にして何ぞみだりに紛動するやとありし
J17_0774A06: かば。定公も高論に服して遠遊をおもひとどまれ
J17_0774A07: り。しかるに定公また庸人にあらず。其後はるかに年
J17_0774A08: を經て琉球國へおしわたられけるに。彼國王その德
J17_0774A09: をとふとみて篤く崇敬せり。三年のあいだひろく化
J17_0774A10: 益をほどこして歸れり琉球神道記五卷同往來は此ときの作なり曾て京都にお
J17_0774A11: ゐて法林寺ならびに袋中庵をはじめて居住せらる。
J17_0774A12: 當麻變相白記の述作あり。師の所勞おもくして難治
J17_0774A13: のよしを聞て。京都を發しなには津よりふねにのり
J17_0774A14: て下向せられしに。折ふし風波あらくちやくせんお
J17_0774A15: そなはりしかば師の末期にあふことを得ざりきと
J17_0774A16: き。船中にて衣をおさめ香をたき念佛し。しばらく
J17_0774A17: ありて諸徒をかへりみて云く。吁老兄遷化せりと後
J17_0774B18: 時日をかんかふるにすこしもたがはず。師の所持の
J17_0774B19: 佛像寶物書籍等をあらため。定公手づから記錄して
J17_0774B20: 運譽上人へ附與せらる。今現に光明院にあり。その
J17_0774B21: 中師の自筆書寫の抄物尤多し。
J17_0774B22: ○和州當麻寺の住僧。かつて師の道德を渴仰し。中
J17_0774B23: 將法如比丘尼眞跡の稱讃淨土經一卷を進呈せらる。
J17_0774B24: この外。元祖大師眞跡阿彌陀經一卷。同大師眞跡六
J17_0774B25: 字名號一幅。聖光上人自作自筆授手印卷物一通。善
J17_0774B26: 導大師御影一幅雪舟の筆これらの靈寶もとめざるにおの
J17_0774B27: づからきたりあつまる。師道德の所感なるべし。
J17_0774B28: ○備後尾道の邑に淨慶といへる有信の居士あり。平
J17_0774B29: 日ふかく師の德風をあふぎ。べつに小ふね一そうを
J17_0774B30: かまへおき毎月一度このしまに渡りて拜謁せり。年
J17_0774B31: 來ふかく法乳のおんに濕ふを謝せんがためなり。師
J17_0774B32: もまたその篤志をかんじてねんごろに敎示をくはへ
J17_0774B33: たまへり。しかるにある僧くだんの淨慶にかたりて
J17_0774B34: いはく。南都春日明神の寶殿におさめをくところの

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