浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0745A01: | かせたまひ老若の上﨟達も十念を受け日課を授かり |
J17_0745A02: | なんとせられたり或時 仙洞御所 後水尾法皇より |
J17_0745A03: | 院參あるべき 宣旨ありて龍顏まちかく召され 玉 |
J17_0745A04: | 體御祝禱の上説法ありまた或時は藪三位嗣良卿 院 |
J17_0745A05: | 使として上人の法門扱聽聞あらせらるべき 院宣あ |
J17_0745A06: | り上人 勅答したまひて貧道鄙里に産して尊貴の御 |
J17_0745A07: | 前に參せん事比類なき朝恩なり法門の開則は宗風に |
J17_0745A08: | 依て執行すべきか 御所の行事は愼而勅に應せんと |
J17_0745A09: | なり御聽聞衆の御方攝家親王淸花大臣家をはしめ公 |
J17_0745A10: | 卿殿上人列せられ仁和寺大覺寺靑蓮院知恩院等の宮 |
J17_0745A11: | 門跡方を始山門三井の碩德も聽聞せらる所司代板倉 |
J17_0745A12: | 重宗朝臣御所の法門の次第を聞て遙に信伏せられし |
J17_0745A13: | とぞ寬永十年酉正月九日失火諸堂一時に灰燼となる |
J17_0745A14: | 依て上人關東へ下向し先板倉房州に通せられ大將軍 |
J17_0745A15: | 家に謁禮有けるに御懇の上意且諸堂御再建の旨御命 |
J17_0745A16: | あらせられければ國恩感戴有て下城す奉行は片桐石 |
J17_0745A17: | 見守副使堀田兵部と仰出され諸事往格の通り事濟て |
J17_0745B18: | 歸洛前後九ケ年を經て落慶に及今の諸堂是なりまた上人自ら |
J17_0745B19: | 十方の檀信を募りて洪鐘を鑄たまふ徑り九尺厚さ九寸五分長壹丈八寸皇 |
J17_0745B20: | 朝にためしなき洪鐘なり或人上人に和歌を乞けれは |
J17_0745B21: | 南むあみたあみたみた佛南むあみた南あむみた佛南むあみたなり念佛の六字の外をしらされば南むあみた佛の歌をよみけり洪鐘 |
J17_0745B22: | 成就の後三部妙典撰擇集二藏頌義等を鏤板して寶庫に納らる同十五年十月造營成就 |
J17_0745B23: | 十一月勢至堂より影像を迎へらる玆に大晦日の朝例 |
J17_0745B24: | の巡願の節濡髮童子出て十念を乞今御影堂の軒にある傘の因由是也同十 |
J17_0745B25: | 八年正月十九日落慶の大法會を行わる法會も魔障な |
J17_0745B26: | く終りしかは伽藍造營の御禮として關東へ下向す路 |
J17_0745B27: | 次の化導大方ならす程なく參着御禮登城の砌法門御 |
J17_0745B28: | 聽聞遊されたき旨仰出され即六月十四日論日と定殿 |
J17_0745B29: | 中鳩杖を免され且種種の賜あり諸般濟ければ歸洛の |
J17_0745B30: | 御暇を願けるに上使を以宗門の法義を尋ね圓頓の戒 |
J17_0745B31: | をも受けへき懇望なり今少し逗留あるへしとの上意 |
J17_0745B32: | なり六月も終り七月になりければ當年殊に殘暑つよ |
J17_0745B33: | き故にや上人病にそみたまひけり歸洛御差留中の事 |
J17_0745B34: | なれば寺社御奉行上使として氣色審察のうへ上聞に |