浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0741A01: | 靈巖上人略傳 |
J17_0741A02: | |
J17_0741A03: | 道本山東海院靈巖寺は二九檀林の隨一にして朝燈夕 |
J17_0741A04: | 梵の勤行入夏解夏の儀式布薩説戒の作法法門講經乃 |
J17_0741A05: | 次序嚴然たる儀則有て五百の龍象常に蟠り支院學寮 |
J17_0741A06: | 甍を並て繁茂する事三縁山に次り抑開山雄譽靈巖上 |
J17_0741A07: | 人は今川家の一族沼津土佐守氏勝の三男母は庵原氏 |
J17_0741A08: | なり天文十三年四月八日誕生あり永祿七年の春十一 |
J17_0741A09: | 歳にして同所淨運寺の增譽に投じて薙髮し肇叡と名 |
J17_0741A10: | く十五歳にして東遊し錫を下總生實の大巖寺に掛け |
J17_0741A11: | 道譽上人の室に入公一見の後その俊才高機を愛し靈 |
J17_0741A12: | 智の生る所我宗の柱礎となるへしとて名を靈巖と改 |
J17_0741A13: | らる已に螢雪の功年を累ね天正二年の冬五重を相承 |
J17_0741A14: | し同七年之霜月第二世安譽上人の座下にをゐて戒脉 |
J17_0741A15: | を禀承す上人二公の下に周旋し玉ふ事十八年經論披 |
J17_0741A16: | 閲の夕には十劫正覺の月光を龍澤の法水に澄しめ躰 |
J17_0741A17: | 究練磨の朝には終窮極談の花香を大巖の幽谷に愛遊 |
J17_0741B18: | ひまた或時は濟〓秘術の心蓮を五乘齋入の庭にひら |
J17_0741B19: | き攝取遍照の智光を實相觀念の窓に臨ましめ同十五 |
J17_0741B20: | 年安公の禪りを受て第三世となりたまふ世壽三十四才法﨟十八年 |
J17_0741B21: | 同十八年故有て南都に趣靈巖寺を創め山城に稱故寺 |
J17_0741B22: | 西光寺を建立し伏見の城に神君の命を受て生實に再 |
J17_0741B23: | 住して堂宇を再建す慶長八年房州に渡らせたまゐ大 |
J17_0741B24: | 網の大巖院を草創し同十三年上總に五井の守永寺佐 |
J17_0741B25: | 貫の 昌寺湊の湊濟寺小糸市の三經寺姉ケ碕の最頂 |
J17_0741B26: | 寺湯江村の法巖寺生實の大覺寺等を開き元和元年の |
J17_0741B27: | 八月初祖の舊地諸國の靈塲をぬかつかんと旅裝しま |
J17_0741B28: | づ船にて相州浦賀に渡り鎌倉に越へ記主の墳塔を拜 |
J17_0741B29: | しそれより沼津に先師の塚を禮し日を重て勢州山田 |
J17_0741B30: | の天機院に着す翌日内外兩宮に眞宗弘通を祈誓し暫 |
J17_0741B31: | く錫を天機院に止め給ふ赤桶村の心光寺深野村の來 |
J17_0741B32: | 迎寺を開基し高見が崎を登り吉野山談の峰初瀨三輪 |
J17_0741B33: | なんど順拜法樂のち南都靈巖寺に逗留それより大坂へ |
J17_0741B34: | 越へ船にて播磨まで渡海し直に美作へ飛錫し誕生寺 |