浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0731A01: | 起立西遊寺 像瞻受用身 |
J17_0731A02: | 稱名不退力 先待結縁人 |
J17_0731A03: | 繪 |
J17_0731A04: | また伏見にしる人ありて立寄信宿し給ひけるに松平 |
J17_0731A05: | 隱岐守上人に拜謁して淨土の安心起行のありさまな |
J17_0731A06: | などくわしく聽聞しふかく上人に歸依して師檀の契 |
J17_0731A07: | 約ありこれよりして寒暑の音問四時の供養相續して |
J17_0731A08: | 絶ゆることなし隱岐守逝去の後は嫡子松平越中守先考 |
J17_0731A09: | の跡を追て深く歸仰し供養の品物なンども父の時に |
J17_0731A10: | おとることなし又上人六十歳慶長十六年の春洛陽第三 |
J17_0731A11: | 橋の邊に伏見次郞兵衞といふ人あり久しく對面の程 |
J17_0731A12: | も打たへぬれは上人尋ねさせ給ひけるに次郞兵衞い |
J17_0731A13: | とよろこびて永くもここにととめまほしく思ひて家 |
J17_0731A14: | の背なる藪をうかちて草庵をつくれり中に小溝の流 |
J17_0731A15: | あれは道俗分へだてあり淸閑の地なりとて板樣の物 |
J17_0731A16: | をかひわたして通ひけり其比板倉周防守京都の諸司 |
J17_0731A17: | にて威權肩を比ふるものなかりけれは松平越中守よ |
J17_0731B18: | り使者をつかわしてしかしかのよしをつげて東山佛 |
J17_0731B19: | 詣の次にかならずとひ給へと申をくられけれは周防 |
J17_0731B20: | 守もやかて尋まいられけり聞しよりもみるにまさり |
J17_0731B21: | て道容の殊勝におはしけれは淨土の法要なンどこま |
J17_0731B22: | ごま尋聞て渴仰の思ひ淺からざりしとなむそれより |
J17_0731B23: | 道俗貴賤たうとみて來往の人日日に多かりければそ |
J17_0731B24: | のわたりの人多く來り集りて堀をうめ地をたいらげ |
J17_0731B25: | なンどして堂宇を營造して遂に寺となれり即いまの |
J17_0731B26: | 三條法林寺これなり |
J17_0731B27: | 元和三年正月廿六日より上人三日三夜の別時念佛を |
J17_0731B28: | 勤修し給へり廿九日の曉別行の結願なれは鐘もしき |
J17_0731B29: | りに打稱名もひときは高かりし折から佛殿の内に雲 |
J17_0731B30: | に乘りたる高僧あり雲の色は赤白間雜し身の長は三 |
J17_0731B31: | 尺ばかりにして東の空にむかひて口より化佛三軀を |
J17_0731B32: | 吐出せりその二軀はちかく一軀はややとおし上人は |
J17_0731B33: | しめは空也上人とおぼしきかつくづくその容貌をみ |
J17_0731B34: | たまへは宗祖善導大師なり實に上人自利のためにも |