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J2540 弾誓上人絵詞伝 宅亮 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0699A01: る。剩報恩に擬せんとて。紫竹の光念寺田中の守興
J17_0699A02: 寺を造立し。上人を以て開山として尊影を安置せら
J17_0699A03: れたり。
J17_0699A04: ○慶長十八年五月廿四日。門弟等を集めて告て宣
J17_0699A05: く。先年汝等に語るが如く。彌彌明日午の刻に滅度
J17_0699A06: すべしと示し給へば。大衆悉く悲歎の涙にむせびけ
J17_0699A07: り。漸く廿五日。日中の勤行回向の終りに至りて大
J17_0699A08: 寶蓮花の上に坐し。念佛と共に息絶給ひぬ。壽算六
J17_0699A09: 十二歳なり。七日の間紫雲靉靆し音樂髣髴たり。異
J17_0699A10: 香芬馥し天華亂墜す。光明山野にみち。一山靑樹し
J17_0699A11: ばらく色を變ず。都鄙遠近聞傳へて稻麻竹葦の如く
J17_0699A12: 馳集り。戀慕悲歎の聲谷に響き地を動す。恰も鶴林
J17_0699A13: 大會の如し。遺告に任せて七日の後窀穸し奉る。今
J17_0699A14: にいたり毎年五月廿四日より開山忌を執行ふ。廿二
J17_0699A15: 三日より都鄙の諸人群參してその遺德をしたひ稱名
J17_0699A16: の聲山谷にひびきわたる。是も盛德の一端なり。吁上
J17_0699A17: 人は實に西刹の願王變化して。濁世の衆生を導き玉
J17_0699B18: へるなり。一生草衣木食にして。深く信施を恐れ給
J17_0699B19: ふ。凡そ衣食の節儉なること古今類希なり。しかふし
J17_0699B20: て自行化他修する所は唯正定業の一行のみ。佛神擁
J17_0699B21: 護の感。龍鬼渴仰の相實に天外に出たり。其行狀の
J17_0699B22: 卓絶なる事。言語の及ぶ所にあらず。今暫く九牛が
J17_0699B23: 一毛を錄して。後人に知らしむるものなり。
J17_0699B24:
J17_0699B25: 彈誓上人繪詞傳卷下
J17_0699B26:
J17_0699B27: (本傳序、跋)
J17_0699B28:
J17_0699B29: 欽明帝御宇。佛法始傳本邦以來。往往有倜儻不測
J17_0699B30: 之大士出世。光闡道敎拔濟羣萌。僧史所記絡繹不
J17_0699B31: 絶。可謂盛矣。就中光明山開祖彈誓上人者。倜儻
J17_0699B32: 中之倜儻。不測中之不測者也。所謂道我是凡向聖
J17_0699B33: 位裏去。道我是聖向凡位裏去者非邪。泰山不可丈
J17_0699B34: 尺。江海不可斗斛。唯附一默而可焉。開祖唱滅之

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