浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0643A01: | 玉ふ事かたしとおもはかりて顯密二敎に通して細釋 |
J17_0643A02: | せんとおほして曰必しも一念の稱名といふとも輕か |
J17_0643A03: | らすあなとりかたし小隙舟をしつめ小蟲毒ありて人 |
J17_0643A04: | を害す世間現に其理りあり況や佛法をや先密敎には |
J17_0643A05: | 阿字本不生不可得と談し候とやらん阿字不可得なれ |
J17_0643A06: | は彌陀もまた不可得なり况や阿彌陀の三字離釋する |
J17_0643A07: | ときはすなはち佛金蓮三部の種子眞言なり阿字は本 |
J17_0643A08: | 不生中道の義是佛部なり彌字は吾我不可得の義なれ |
J17_0643A09: | は吾我をはなれし人法二空の智にして金剛部なり陀 |
J17_0643A10: | 字は如如不可得の義性淨如如の理にして蓮華部なり |
J17_0643A11: | 蓮華はもとより自性淸淨の理金剛は是不壞能斷の智 |
J17_0643A12: | 佛部は理智冥合の佛身なり又顯敎には阿彌陀の三字 |
J17_0643A13: | を以て空假中の三諦とす阿は廅音にして空諦彌は唇 |
J17_0643A14: | 音にして假諦陀は舌音にて中諦なり一切の諸法廣し |
J17_0643A15: | といへども此三諦を出す四種三昧中の常行三昧は般 |
J17_0643A16: | 舟經に依て彌陀を本尊とし心に阿彌陀佛を休息する |
J17_0643A17: | 事なく要を擧てこれをいはは步步聲聲念念唯在阿彌 |
J17_0643B18: | 陀佛若し彌陀を唱れはすなはち是十方佛を唱と功德 |
J17_0643B19: | 等しと復常坐三昧の方所を明して一佛方面端坐正向 |
J17_0643B20: | といへるを釋して諸敎所讃多在彌陀故以西方而爲一 |
J17_0643B21: | 準と云慈恩大師は諸佛願行成此果名但能念號具包衆 |
J17_0643B22: | 德と判し慧信先德は因行果德自利利他内證外用依報 |
J17_0643B23: | 正報十方三世一切諸佛恒沙塵數無邊法門皆悉攝在六 |
J17_0643B24: | 字之中是故稱名功德無盡等と彌陀の六字に結歸して |
J17_0643B25: | 是を釋し正修觀にをいても來迎引接の誓願は獨り彌 |
J17_0643B26: | 陀にあり十方淨土の莊嚴は悉く極樂に集り三世如來 |
J17_0643B27: | の功德は全く彌陀に收むといへり龍樹大士往往皆か |
J17_0643B28: | くのことし宋の賛寧師も法照禪師の傳に文殊大士の敎 |
J17_0643B29: | 勅を擧け諸の修行門念佛に過たるはなし乃至諸佛皆 |
J17_0643B30: | 念佛よりして生すゆへに知ぬ念佛は諸法の王なり汝 |
J17_0643B31: | まさに常に無上法王を念して休息すへからす等とこ |
J17_0643B32: | れを記せり是天下の公談にして全く以て私説にあら |
J17_0643B33: | す又阿彌陀の三字に二字三字相翻あり畢竟して天台 |
J17_0643B34: | の無量の二字相翻を以て正とす善導大師無量壽の三 |