ウィンドウを閉じる

J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0643A01: 玉ふ事かたしとおもはかりて顯密二敎に通して細釋
J17_0643A02: せんとおほして曰必しも一念の稱名といふとも輕か
J17_0643A03: らすあなとりかたし小隙舟をしつめ小蟲毒ありて人
J17_0643A04: を害す世間現に其理りあり況や佛法をや先密敎には
J17_0643A05: 阿字本不生不可得と談し候とやらん阿字不可得なれ
J17_0643A06: は彌陀もまた不可得なり况や阿彌陀の三字離釋する
J17_0643A07: ときはすなはち佛金蓮三部の種子眞言なり阿字は本
J17_0643A08: 不生中道の義是佛部なり彌字は吾我不可得の義なれ
J17_0643A09: は吾我をはなれし人法二空の智にして金剛部なり陀
J17_0643A10: 字は如如不可得の義性淨如如の理にして蓮華部なり
J17_0643A11: 蓮華はもとより自性淸淨の理金剛は是不壞能斷の智
J17_0643A12: 佛部は理智冥合の佛身なり又顯敎には阿彌陀の三字
J17_0643A13: を以て空假中の三諦とす阿は廅音にして空諦彌は唇
J17_0643A14: 音にして假諦陀は舌音にて中諦なり一切の諸法廣し
J17_0643A15: といへども此三諦を出す四種三昧中の常行三昧は般
J17_0643A16: 舟經に依て彌陀を本尊とし心に阿彌陀佛を休息する
J17_0643A17: 事なく要を擧てこれをいはは步步聲聲念念唯在阿彌
J17_0643B18: 陀佛若し彌陀を唱れはすなはち是十方佛を唱と功德
J17_0643B19: 等しと復常坐三昧の方所を明して一佛方面端坐正向
J17_0643B20: といへるを釋して諸敎所讃多在彌陀故以西方而爲一
J17_0643B21: 準と云慈恩大師は諸佛願行成此果名但能念號具包衆
J17_0643B22: 德と判し慧信先德は因行果德自利利他内證外用依報
J17_0643B23: 正報十方三世一切諸佛恒沙塵數無邊法門皆悉攝在六
J17_0643B24: 字之中是故稱名功德無盡等と彌陀の六字に結歸して
J17_0643B25: 是を釋し正修觀にをいても來迎引接の誓願は獨り彌
J17_0643B26: 陀にあり十方淨土の莊嚴は悉く極樂に集り三世如來
J17_0643B27: の功德は全く彌陀に收むといへり龍樹大士往往皆か
J17_0643B28: くのことし宋の賛寧師も法照禪師の傳に文殊大士の敎
J17_0643B29: 勅を擧け諸の修行門念佛に過たるはなし乃至諸佛皆
J17_0643B30: 念佛よりして生すゆへに知ぬ念佛は諸法の王なり汝
J17_0643B31: まさに常に無上法王を念して休息すへからす等とこ
J17_0643B32: れを記せり是天下の公談にして全く以て私説にあら
J17_0643B33: す又阿彌陀の三字に二字三字相翻あり畢竟して天台
J17_0643B34: の無量の二字相翻を以て正とす善導大師無量壽の三

ウィンドウを閉じる